養生整体師&スポーツトレーナー・最上晴朗-20091021095041.jpg

写真は本文と何の関係もありまへん。


あまりにも天気が良かったんで、
思わず撮った、池袋あたりの空。

















私は以前から、
アスリートのパフォーマンス向上には3つの要素が重要である、と書いている。



「脱力」

「身体軸感覚」

「連動」



である。





それらをどのように獲得するか?
の為に様々な方法論が存在するに過ぎず、
その選択は、それぞれのアスリートの心と身体に届きやすい方法論を選べば良い、
と考えている。




つまり、「どれも正解」である。





詳しくは以前のエントリー(「トレーニング観」カテゴリーの中にあるはず…)を探していただきたいが、
実はこの3つ、ある意味同じ事を指しており、
共通して含んでいる要素がある。



それは、

「安定・固定」

である。





大地なり対象物(ボールなど)に力を伝えようとすると、
どこかに「支点」が必要になる。




いわば「固定」されている箇所、である。





それは身体全体が、ある一定範囲の「安定」が確保されていなければならず、
また「固定」とは言っても全てが固まっていては、「連動」が起きず、力が伝わらないので、
「脱力」出来ていないとパフォーマンスは低下する。



その、固定すべき箇所を「身体軸」と表現している。






「固定」すべき箇所、とは、
ほとんどの場合は「体幹」になる。





固定とは言っても、
実際は固めるような固定ではなく、
ある方向に対して抗するような力がコントロールされて発揮されているべきで、
それは必ずしも一方向ではない。





つまりは「ゆらぎ」の中でフレキシブルに対応されるべきもので、
ある意味アバウトな中で、身体が反応すべきものである。






その為の方法論として、
スタビライゼーションも良いだろうし、
ピラティスもヨーガも良いし、
アクアトレーニングも良いだろうし…







ただ、いずれにしても、
そのトレーニングの中で行われている体内の反応は、
ある種の不安定状態の中で、脳から各筋へ


「この不安定状態を解決するべく、この程度働け!」


と指示が出る。



それに対して各筋は、


「了解しました。これぐらいでいかがでしょうか?」


と、お伺いを立てる。



そしてまた、



「それは行き過ぎだ!」



などと修正指示が発せられる…






という、膨大な情報のやり取りが行われている。





一対の情報のやり取りでは、
刻一刻と変化する状況の中では、とても対応出来ず、
安定も無く、固定も有り得ない。





前述のスタビライゼーションやピラティスなどのトレーニングを繰り返す事で、
最初は少ない情報しかやり取り出来なかった「脳→神経→筋」の連携が、
徐々に多くの情報を短時間にやり取り出来るようになっていく。




これが「安定」であり、
「固定すべき箇所を、固定すべきタイミングで、必要な量の力で」
固定出来る、事に繋がる。





つまり、
最初は少ない情報しかやり取り出来なかった

「ナローバンド」

状態から、

多くの情報をやり取り出来る

「ブロードバンド」

状態に身体を作り替えて行く。




これがアスリートにおける

「頭が良い」


という事であり、
それこそ


「アスリート脳」



と呼べるものである。




無論、程度の差はあれ、
一般の方にとっても、小さな段差で転ばないとか、
必要な要素は変わらない。