世界陸上選手権でのウサイン・ポルト選手の驚異的な走りに世界が驚嘆した。



数値的な凄さも、メディアで明らかにされていり。




ポルト選手はスタートが課題と言われてきたが、
100m決勝での号砲からの反応時間は0秒146。
タイソン・ゲイ選手の0秒144とほぼ互角。




見たところ、いつもあった20mまでの身体のブレも少ない。



そのままトップスピードに入り、
最高時速は44.7キロだったそうだ。





また、ポルト選手は100mをおよそ41歩で駆け抜けたそうで、
一歩あたりのストライドは2.44m。

対するゲイ選手はおよそ46歩で、
一歩あたりのストライドは2.17m。



ゲイ選手はその不足分を一秒間あたり4.73歩の高速にて脚を回転させたが、
ポルト選手も、あの長い脚を1秒間に4.27歩の高速回転。






単純に言えば、長いストライドを、
ゲイ選手に引けをとらない高速に回転させたわけで、
こりゃ~物理的にかなわない…







ストライドを伸ばす為には、
対角の肩甲骨を、肋骨上に滑らせなければならない。


腕を振るのは目的ではなく、
手段である、と考えられる。




だが、肩甲骨を滑らせれば当然、身体がそちらに引っ張られるので、
ブレないようにそれを押さえ込まなければならないが、
押さえ込む意識が過剰になると、「力み」に繋がり、
ストライドも狭くなり、回転スピードも落ちる。





ポルト選手は、それを押さえ込むというより、
背骨全体を柔らかく使い、
押さえ込むというより、「緩衝」させて吸収しているように見える。




高層ビルが、大地震の時に全体をくねらせて、
衝撃を吸収させているのに似ている。




(これについては過去エントリーの「五重塔の構造」で述べた)






ポルト選手がどのようなトレーニングを積んだかは分からないが、
単に身体的優位性だけで勝利を掴んだ訳でないことは確かである。







ポルト選手が勝利インタビューで語った言葉が印象深い。






「やるべき事をやってきた甲斐があった。」







まず、


「やるべき事」




が分かっている、ということが重要で、
多くのアスリートが、まずここが分からない。





そして、




「やってきた」




ということ。




「やり続けた」


と表現した方が的確だろう。






「やるべき事」を示唆してくれる人、またはそれを認識出来る認識力。


「やり続けられる」環境、
揺れる心を修正出来た周りのサポート。


もちろん、本人の精神力。










勝利は、様々な要因の積み重ねと、その集大成の結果である。