今や「スタビライゼーション」やら、
「コアトレーニング」やらが市民権を得て、
一つのブーム的になっているが…




私なりに、考えを付け加えておきたい。






スタビライゼーション、とは、
身体を動きの中で、安定させる働きの事である。




「コア」とは、身体の深層部の筋、という概念らしいが、
人によっては概念が違う…


インナーか、アウターか、
という概念とも、必ずしも一致しない。







ややこしい事は別にして、
つまり、ある局面に於いて、
止まるべき箇所が止まらないと、力が伝わらない。



てこの原理と同様、
支点が固定出来ないと、力そのものが伝わらない、



と、云うことである。






そのような能力を高めようとする時、
敢えて不安定な状況下で訓練をする場面がある。





例えば、大きなボールの上でバランスをとるようにする…




または、バランスディスクと呼ばれる半円形のボールの上で、
様々な動きをしながらバランスをとる訓練をする…






それらは全て、否定されるものではない。





ただ…




本質的に言うと、
「バランスをとる」という事を主目的にしてしまうと、
本末転倒。







力ます、柔らかくバランスを取るには、
身体の深層部が活動する事が必要不可欠。





ボールに乗ろうがバランスディスクに乗ろうが、
どちらでも構わないが、
最も重要なことは、全身(特に表層)の筋を出来るだけ脱力する事である。





一度、全ての力をリセットして、
その上で、必要な力を「積み上げて行く…」



全てゼロベースに、
が大前提である。








そんな事の繰り返しで、
「本当に必要な、最低限の力」が分かり、
「無意識的に入っていた、意味の無い力」が認識出来る。








スタビライゼーションも含めて、バランス系トレーニングに於いて、
最も重要なのは、一度全ての力を抜き、
本当に必要な力から積み上げて行く事を、身体に再教育する…







これこそに、意味があるのである。









前エントリーの「入力と出力」にも関連するが、
ただ、不安定な場所に立って何かの能力が高まる…



というのは、かなりラフなトレーニングと云わざるを得ない。





「それをやる事によって、何をどこに入力したいのか?」




を、明確化する事が肝要である。







ただ不安定な状況下でバランスをとる…



だけでパフォーマンスが高まるなら、
トレーニングコーチやトレーナーは、
地球上に必要ない。