フィギュアスケートの世界では、
現在、ニコライ・モロゾフコーチが村主、織田、安藤の3選手を指導している。




彼のコーチとしての能力は分からないが、
少なくともライバルである複数の選手から依頼があり、
先の全日本選手権ではそのうち織田選手が復活の優勝、
村主選手も長い低迷からの二位、



と考えると、コーチとしての力量は高いと判断するのが妥当であろう。






先日、モロゾフコーチのインタビューを読んだ。




村主選手に対する指導について。


村主選手自身は、モロゾフコーチに「変革」を期待したらしい。


言わば勝てる為の「必殺技」のようなものを期待したのだろう。

気持ちは分かる。





それに対して、モロゾフコーチのアドバイスは、
「何も変える必要はない」。


つまり、自分の中にある、絶好調時の滑りを引き出せ、というアドバイスであった。




村主選手は、例えば浅田選手や安藤選手に比べて、
ジャンプが圧倒的に不得意で、
主流になりつつある3-3回転ジャンプなどは出来ないそうだ。


彼女は、「それを何とかしなければ」と、
半ばパニックになっていたそうで…



その気持ちも、私としては痛いほど分かる。






モロゾフコーチは、
出来ない事を解決しようとパニックになり、
本来の村主選手の「良さ」=表現力や表情…
を引き出す方が近道と考えたのであろう。




また、織田選手に関しては、
「4回転ジャンプにこだわり過ぎ」
と言う。




今季、フィギュアの放送を見ていて、
「回転不足」という言葉を何回も聞いた。



浅田真央選手のトリプルアクセルなど、何度もその言葉を聞いた。



ルールが今季から変わった為、回転不足が厳格に取られるらしい。






つまり、4回転にばかりこだわって、
他のジャンプが回転不足と判定されると本末転倒だ…と。


そういう意味だろう。





冷静に見ると、
4回転ジャンプが成功したからといって、
他のジャンプのミスを帳消しにするほどの加点はないらしく。





モロゾフコーチの指導は、
要は、
「冷静になれ」。
と。





その上で、

「勝つという目的の為に、変えるべきか、変えざるべきか」。

を、選手に説いているようである。





これはまさに、
私がこのBlog内で言っている、
「精神力」の話。





熱い心…熱力
勘やインスピレーション…鋭力
冷静な心…静力

のバランスが精神力、と云うことと一致する。





外国人コーチというのは、なかなか思想が分かりづらいが、
この話を聞く限り、モロゾフコーチは優秀なコーチと言わざるを得ない。







逆に、日本人コーチの奮起も期待したい。







これは、
私もトレーナーという立場ではあるが、
ある意味コーチのような役割も併せ持つ立ち位置…




自分に対する戒め、ですな~