今行われている水泳ジャパンオープンで、
英スピード社のレーザーレーザーを着用した選手がほとんど好記録を連発。



選手も、契約先や所属企業の問題から着用を直前まで迷っていたようだが、
これだけ明らかな差がついてしまっては、
選手の選択は致し方ない。




このようなウェアによる問題は、
何も水着に限ったことではない。




私が関わっているスキージャンプでも、
以前は基準が曖昧な時期があった。



ジャンプは、極論を言えば「空を飛べれば」、当然遠くまで飛べる。
翼が付いていたり、あるいはパラシュートのようなものを付けたり…



で、それに近い状態を、且つ合法的にやる方法が、
当時では「ダボダボのジャンプスーツを着ること」だったのである。



つまり、脇と股にムササビのような膜をつくる、というわけだ。




当然、そうした選手は記録を伸ばし、
その後、スーツの寸法基準が厳格化された。



それでもルールの編み目をくぐり、
抵触しないように工夫をこらす選手もいた。




誤解のないように言っておくが、
その時点での工夫は、ルール的に何の問題もない。゛
限られた条件の中で肉体を極限まで鍛え上げ、あと少しだけ記録をライバルより伸ばす為に用具に頼るのは、
アスリートとして当たり前のことだ。






そしてその後、何度もルールが見直され、
今では自分の身体のサイズから何センチ以内のゆとりしか認めない、などさらに厳格化された。


スーツの繊維の材質、風の透過率も定められている。
(風を通さない方がパラシュート状態になる)







レーザーレーサーは、表面の加工の優秀さもあるようだが、
むしろそのシルエット加工技術で身体を締め付け、
凹凸を無くし魚に近い状態にすることが特徴のようだ。



むしろジャンプとは逆である。




今回の問題は、
スピード社の情報が正しく日本に入ってくるのが遅かった点や、
日本の主要メーカーの努力研究不足の点や、
水連上層部の動きがあまりに遅かった点や…




まあ、そういったことはさておき、
スピード社のものが着られれば何の問題もないのだろうが、
北島選手が憂慮するように、勝ったとしても水着が勝ったかのように言われ、
スピード社の水着を着用せず負けたら、着用しなかった点に注目が集まり、負けたことへの問題検証があやふやになる。


負けたら、やはり本人とコーチの責任であるはずで。




いまさら、スピード社の水着がどうのこうのと言っても間に合わないので、
北京後に水着に関する、何かしらの基準を設ける動きが出るのではないか?



こういう問題は、言わば「ドーピング問題」のようなものだ。



例えばドーピングも、
今の時点で「ドーピング」と認定されている薬物が対象になり、
処罰になるだけの話で、
今の時点で当局に認知されておらず、だが効果は絶大で、ルールにも抵触しない薬物を使っていても、何の問題もない。



だが、ドーピング委員会などで、北京後に認定されれば禁止薬物。




゛スキージャンプも同じで、
ルール改正前のスーツで好成績を残したものはOKで、その翌日は×。



ドーピングも、然り。


水泳も、そうした事を排除したければ、
究極は「素っ裸で泳げ」というのが納得の行くルール。




そうなると公序良俗上、水着の面積を男女別に算出すべきか…?


いや、抵抗の少ない体型はトレーニングによって作れ、と云うことに…?




スピード社のレーザーレーサーがどの程度、
圧倒的な差を生むのか、科学的な検証は分からないが…




だが、これだけスピード社の優位性が伝えられれば、
その時点で「メンタル面」の影響は無視出来ないレベルあった。



精神的な影響は、もはや無視出来ないレベルである。



そうなると、ジャパンオープンで好記録が連発されたのが、
実際に水着の影響か、世界的に結果が出ている水着を着ているという「精神的影響」(プラシーボ効果)なのか、
もはや分からない。





ここまで来ると、全てをひっくるめて、
本人が、「どの水着が一番、パフォーマンスが上がりそうか?」
で、本人の感覚で選ばせるしかない。



「感覚」というのは、
最終的には本人にしか分からない。



結果を優先するなら、先ずは本人の感覚を最優先に。





後の諸問題は、その後に。




とにかく、アスリートに一番「気持ち良い」パフォーマンスを発揮してもらう…



この時点で、
他に優先すべきか問題は有り得ない。





今の時点では、
全てが「合法的ドーピング」である。



契約上の問題は、
全て水連が被れば良い問題である。




北京後に、もし選手に責任が降りかかるような事態になれば、
一トレーナーとしてはやるせない。