少し時間が経ってしまったが…




高校野球甲子園大会。


それほど真剣に見ていたわけではないが、
移動の途中の電器店や宿泊先での空き時間にちらちら見ることが出来た。


広陵対佐賀北の決勝戦。途中で広陵のリードを見て、「佐賀北のミラクルも終わりかな…」
と思ったが、その後、再び電器店を通ったら何と点数が逆転していた。
再び再逆転の可能性もある最終回の緊迫した場面だったので、
そのまま最後まで見続けた。


勝敗はご存知の通りだが、
印象に残っているシーンが。




最終回の広陵の攻撃。
送りバントで二塁に行った走者が、相手守備の隙を突き果敢に三塁を狙った。


結果は憤死してしまったのだが、
広陵の中井監督は、ベンチに帰ってくる選手に拍手しながら「ナイスラン!」と笑顔で出迎えたのだった。



このベースランは無謀かどうかは微妙。意見は分かれるところだろう。
だが、中井監督は選手の積極性を評価した。
勝ち負けを分ける緊迫した場面で選手を育てることが出来る指導者。


ここに真の人間力が表れる。



かなり昔、ミスをした選手を監督がベンチで殴り、
それが映像で流れ問題になった大会があったが…
指導者にも様々な人間がいる。



この中井監督、この試合の中でボールストライク判定で、
試合後に判定への不満を口にしたことでも話題になった。
高校野球では珍しいことでもあり、
高野連に注意を受け、一部マスメディアで批判もされたようだ。


ニュース映像で見ると、確かにストライクに見える。それをボールと判定され、結果として佐賀北に逆転打を許すことに。悔しい気持ちは理解できる。




だが、監督が審判批判をしたのは、
負けた恨み言ではなかったようだ。



アマチュア野球では審判への不満を口にするのはタブーで、
確かに批判はいけないかも知れない。
だが監督の中には「選手に審判批判をさせるわけにはいかない。ならばそうなる前に自分が言わなければ。」
との思いがあったようだ。




もちろん、それでも賛否両論あるだろうが、
私が付くならこういう指導者に付きたい。



選手諸君は、この中井監督から勝ち負けだけでは得られない、大切なモノを学んだ三年間だったと推察する。