陸上競技ハードルの為末大選手は、大の読書家で有名だ。




ある新聞記事で、そのきっかけになったことが載っていた。





アメリカに陸上の武者修行に行っていた時のこと、
英語も出来ず、話す相手もいなかったことから、
日本人街で新渡戸稲造の「武士道」を読んだことがきっかけで本にはまり、
帰国の際にはスーツケースに本が入りきらなかったそうだ。


帰国後も読書熱は冷めやらず、スポーツに関するものや経済書、音楽関係など、
一見乱読のようにも見える。
だが、彼にとっては総て共通点があると言う。





「たとえばバブル経済のように。その当時は世間の人からもてはやされても、後から世の中の方がおかしかったということがあるように、
今は世間の真ん中にあっても、すぐに忘れられてしまうものが多い中で、
武士道のように、どんな時代にも変化しない本質的なものがある。
時には時代の方がおかしい為に、本質の方がおかしいように解釈されることもある。
私は本を通じて、陸上の世界を超えて、走り方でも人生でもい、そして投資でも、普遍的な理論が存在するのではないかと探し続けています。

もうすぐ、大阪で世界陸上が開催され私も出場しますが、
そこでメダルを取るために、昨年一年間はハードルを跳ばずにスピードを磨き、
今年は今までやっていなかった新しい歩数にを採用し、挑戦しようとしています。


これは奇策なのか、それとも王道なのか…

自分の身体でそれを証明したいと思っています。」








もう…





あまりに素晴らしくて言葉が出まへん…




理屈抜きで、彼を応援したくなる。




為末選手も勝負師だから、当然勝つためにやっているわけだが、
彼の中では恐らく、「人間道」の為に、陸上競技を通してそれを探求しているように思えてならない。



アスリートは言い訳は無用だが、
それでも身体的特徴も含め、様々な勝ち負けの要因となるものは存在する。


勝ち負けは尊いのは確かだが、
それ以上に大切なことは
「どう戦ったか」。
「何を求めたか」。






全てのアスリートへ。



彼の真似をする必要はないが、





もっと考えましょう。





もっと勉強しましょう。



貴方はいま、何のために競技をやってますか?