新興企業が生まれては消える昨今、
100年単位で会社を存続してきた老舗企業の経営に注目があつまっていると、新聞記事にあった。
その老舗企業の魅力を描き、ベストセラーになった本もあるそうな。
日本は創業100年以上の会社が10万社以上とされる老舗大国らしい。
これは世界でも突出した数字だそうで、
例えばお隣りの韓国では100年続いている店や企業は「ひとつも無い」そうだ。
中国では血縁以外を排除する同族経営が発展を妨げ、
そもそも紛争や内戦が多かった国では企業の存続は難しい。
アジアは植民地化が爪痕を残しており、
古い伝統のイメージの強いヨーロッパでも日本ほど古い会社は多くないらしく、
最古でも設立は14世紀。
日本ではこれより古い店や会社が100社近くあるそうだ。
…で、何故今、老舗の経営に注目が集まるかと言うと、
「揺らがない理念」ということに注目が集まっているらしい。
つまり、多くの老舗は「儲かる」か「人様の役に立つ」かの二者択一を迫られた場合、「役に立つ」を選んできた、ということのようだ。
最近は、景気は良いはずだが、個人の生活は楽にならない。
そのくせ企業の悪事やセコい背任行為は後を絶たない。
生保は不払いを「バレなきゃいい」と横並びでやって、
社会保険庁は平気で「記録がない。自分で証明して。」と真顔で言い。
賞味期限切れの原料を平気で使う食品会社も出てくる始末。
新入社員は三年以内で辞め、成果主義も結局は企業が儲かるためだけのものと気付き。
失業率は相変わらずで、ワーキングプアなる言葉が生まれる…
そんな昨今、
「最近の経営者は理念を語らない」との思いが蔓延し、
綺麗事ばかり並べる現状に閉塞感を覚えていることが、
原点回帰と言わんばかりに、老舗の経営戦略に注目が集まっていると推察する。
言ってみれば、皆が不安を感じはじめ
「何のために働くか」を考え出して、それを老舗の理念の中に求めている結果であろう。
前述のベストセラー本の作者も老舗の良い点として、
「社員が自分探しをするように、会社自身も迷っていて、会社探しをしている。
だが、老舗は自分探しをしなくて良い点が強い」
としている。
確かに、私も以前の記事でblogにて書いたが、
人は迷いを解消してやると「燃えて」働くもの。その迷いが無いのが、老舗の強みなのかも知れない。
記事にもある、
「儲かる」と「役に立つ」の二者択一になった場合、
もちろん企業である以上、儲けることは至上命題である。
要は「どう儲けるか?」であり、
そこの羅針盤になるのが「理念」である。
だが、私も企業にいた経験上分かるのだが、
基本的にそんなに企業内に悪党はいないはずだが、
「儲ける」という共通の目的を持った社内の人間が集まると、
役に立つ、ということも意識にありつつ、
いつの間にか儲けるが主体に話がすり代わり、「役に立つ」が「拡大解釈的」になってしまうことが、しばしば起きる。
つまり、
「ま~お客さんに喜んでもらうことが前提ではあるが、
これで満足するお客さんもいるだろうし…
やっぱり利益に繋がらないと意味がないわけだし、
この程度は許される範囲だろう~?
全ての人に納得してもらうのは限界があるし、十分役に立つ、と言えるんじゃないか?」
のような、上層部に言われるとビミョーな展開になる。
で、恐いのはこれが繰り返されると、
脳に刷り込みがされて、洗脳とまでは言わないまでも、
何事も企業に都合よく解釈され、
「こう考えれば、お客様の為になってる、と考えられるな」
となってくる。
そしてそのうち、それを疑問にすら思わなくなることだ。
勘違いしないでいただきたいのは、
私のような個人がそんなことは無い、ということではない。
私も多くの間違いを犯している。
皆、自分が可愛いし、綺麗事を言うのは簡単だが、皆んな自分の生活や人生を最優先に考える。
開き直るわけではないが、ある意味、当然のことだ。
だが、私のような最小単位組織の場合、
そのようなお天道様に背いた行為をしたら、
その影響が自分に返ってくるのが早い。
(負のレスポンスが早い)
そして、言い訳も出来ず、人のせいにも出来ない。
だから「自分の都合の良いように解釈しようとしてたな~」
と、早く気付くことが出来やすい。
つまり、老舗というのは、
こういう「個人に近い」感覚が、
長くお客様に支持されてきた歴史を経て、しっかり刷り込まれていることに他ならない。
言わば、理念が「お天道様」になっているのだろう。
その道の研究者の間でも、老舗を学術的に捉らえる動きが盛んになっているようだ。
あるアンケートによると、消費者から支持されている老舗ほど、取引先との信頼関係を大切にし、社是・社訓を忠実に守る傾向が見られたという。
西欧流の商習慣は日本にも深く入り込んできた。無論、商売である以上は一時的な利益を求めて人員整理もいとわない冷徹な経営判断が求められる時もあれば、
日本に根付いた共生型の経営が有効な時もあるだろう。
だが、その理念の根底には、
「結局、それ役に立つの?
ホント~に喜ばれんの?」
が無いと、何の為に仕事をしてるのか、迷宮に入り込むことになるかも知れない。
もちろん、稼がなきゃ話にならないのだが…
ま、お天道様はお見通し、ってことですかな。
100年単位で会社を存続してきた老舗企業の経営に注目があつまっていると、新聞記事にあった。
その老舗企業の魅力を描き、ベストセラーになった本もあるそうな。
日本は創業100年以上の会社が10万社以上とされる老舗大国らしい。
これは世界でも突出した数字だそうで、
例えばお隣りの韓国では100年続いている店や企業は「ひとつも無い」そうだ。
中国では血縁以外を排除する同族経営が発展を妨げ、
そもそも紛争や内戦が多かった国では企業の存続は難しい。
アジアは植民地化が爪痕を残しており、
古い伝統のイメージの強いヨーロッパでも日本ほど古い会社は多くないらしく、
最古でも設立は14世紀。
日本ではこれより古い店や会社が100社近くあるそうだ。
…で、何故今、老舗の経営に注目が集まるかと言うと、
「揺らがない理念」ということに注目が集まっているらしい。
つまり、多くの老舗は「儲かる」か「人様の役に立つ」かの二者択一を迫られた場合、「役に立つ」を選んできた、ということのようだ。
最近は、景気は良いはずだが、個人の生活は楽にならない。
そのくせ企業の悪事やセコい背任行為は後を絶たない。
生保は不払いを「バレなきゃいい」と横並びでやって、
社会保険庁は平気で「記録がない。自分で証明して。」と真顔で言い。
賞味期限切れの原料を平気で使う食品会社も出てくる始末。
新入社員は三年以内で辞め、成果主義も結局は企業が儲かるためだけのものと気付き。
失業率は相変わらずで、ワーキングプアなる言葉が生まれる…
そんな昨今、
「最近の経営者は理念を語らない」との思いが蔓延し、
綺麗事ばかり並べる現状に閉塞感を覚えていることが、
原点回帰と言わんばかりに、老舗の経営戦略に注目が集まっていると推察する。
言ってみれば、皆が不安を感じはじめ
「何のために働くか」を考え出して、それを老舗の理念の中に求めている結果であろう。
前述のベストセラー本の作者も老舗の良い点として、
「社員が自分探しをするように、会社自身も迷っていて、会社探しをしている。
だが、老舗は自分探しをしなくて良い点が強い」
としている。
確かに、私も以前の記事でblogにて書いたが、
人は迷いを解消してやると「燃えて」働くもの。その迷いが無いのが、老舗の強みなのかも知れない。
記事にもある、
「儲かる」と「役に立つ」の二者択一になった場合、
もちろん企業である以上、儲けることは至上命題である。
要は「どう儲けるか?」であり、
そこの羅針盤になるのが「理念」である。
だが、私も企業にいた経験上分かるのだが、
基本的にそんなに企業内に悪党はいないはずだが、
「儲ける」という共通の目的を持った社内の人間が集まると、
役に立つ、ということも意識にありつつ、
いつの間にか儲けるが主体に話がすり代わり、「役に立つ」が「拡大解釈的」になってしまうことが、しばしば起きる。
つまり、
「ま~お客さんに喜んでもらうことが前提ではあるが、
これで満足するお客さんもいるだろうし…
やっぱり利益に繋がらないと意味がないわけだし、
この程度は許される範囲だろう~?
全ての人に納得してもらうのは限界があるし、十分役に立つ、と言えるんじゃないか?」
のような、上層部に言われるとビミョーな展開になる。
で、恐いのはこれが繰り返されると、
脳に刷り込みがされて、洗脳とまでは言わないまでも、
何事も企業に都合よく解釈され、
「こう考えれば、お客様の為になってる、と考えられるな」
となってくる。
そしてそのうち、それを疑問にすら思わなくなることだ。
勘違いしないでいただきたいのは、
私のような個人がそんなことは無い、ということではない。
私も多くの間違いを犯している。
皆、自分が可愛いし、綺麗事を言うのは簡単だが、皆んな自分の生活や人生を最優先に考える。
開き直るわけではないが、ある意味、当然のことだ。
だが、私のような最小単位組織の場合、
そのようなお天道様に背いた行為をしたら、
その影響が自分に返ってくるのが早い。
(負のレスポンスが早い)
そして、言い訳も出来ず、人のせいにも出来ない。
だから「自分の都合の良いように解釈しようとしてたな~」
と、早く気付くことが出来やすい。
つまり、老舗というのは、
こういう「個人に近い」感覚が、
長くお客様に支持されてきた歴史を経て、しっかり刷り込まれていることに他ならない。
言わば、理念が「お天道様」になっているのだろう。
その道の研究者の間でも、老舗を学術的に捉らえる動きが盛んになっているようだ。
あるアンケートによると、消費者から支持されている老舗ほど、取引先との信頼関係を大切にし、社是・社訓を忠実に守る傾向が見られたという。
西欧流の商習慣は日本にも深く入り込んできた。無論、商売である以上は一時的な利益を求めて人員整理もいとわない冷徹な経営判断が求められる時もあれば、
日本に根付いた共生型の経営が有効な時もあるだろう。
だが、その理念の根底には、
「結局、それ役に立つの?
ホント~に喜ばれんの?」
が無いと、何の為に仕事をしてるのか、迷宮に入り込むことになるかも知れない。
もちろん、稼がなきゃ話にならないのだが…
ま、お天道様はお見通し、ってことですかな。