洋菓子メーカー大手の不二家において発覚した不祥事に歯止めがかからない。



期限切れの牛乳を使っていた問題から、工場でネズミが大量発生するなどの衛生問題。
ある製品からは基準を10倍も上回る細菌が検出されたらしく。それをすでに販売してしまっている。
更なる問題はそれを会社ぐるみで隠蔽したのでは?との疑惑。
過去の食品会社が起こした様々な不祥事が全く教訓となっていなかった事になる。



特に気になったのが、ある生産本部役員の一言。
シュークリームを作るラインが最も牛乳の使用量が多い為、当日中に使い切らなければならない牛乳が他のラインから集まってくるそうだ。
その前提で、
「立場の弱いパートタイマーが、他のラインから当日中に使い切らなければならない牛乳を大量に引き受け、困ってしまったことも事件の要因。」
と話したのであった。




これではまるで、そのパートタイマーの責任と言わんばかりとも聞こえる。
そのような重要な判断をパートタイマーだけが単独でするのだろうか?


弁護するつもりは毛頭ないが、
その対象となったパートタイマーの胸中はいかばかりか。
その判断まで任されていたとしたら、コスト責任まで負わされていたのだろうか?
とすると、最悪の「解雇」や「賃金カット」「昇給見送り」などもちらついたのか?


時給がいくらかは知らないが、
安い賃金で責任ある判断まで任され、生産責任者にまでそんなことまで言われては、たまったもんじゃない。



もしそうだとしたら、
事件の発生は別にして、社内環境は決して風通しの良い状況ではなかったと思わざるを得ない。





ややそれに関連して、
厚生労働省が音頭をとる「経済財政諮問会議」というところで、
有識者による「労働市場改革専門調査会」
なるものをスタートさせたそうな。
この「経済財政諮問会議」は「労働ビッグバン」という労働市場の抜本改革を掲げている。


要するに、趣旨は
「企業の正社員は、弱い非正社員をダシに使いながら自らの労働条件を守ってきた。これを是正することで、規制改革を進めたい。」
らしい。
つまりは、手厚く保護される正社員の既得権を見直すことで、非正社員の地位や労働条件を向上させる、という理屈である。


お偉方の様々な思惑があるのだろうが、
「正社員の既得権の見直し」ということは、
推察するに、「正社員に一度なれたからって安心すんなよ。状況によってはすぐに非正社員とチェンジできるように仕組みに変えるからな。」
という事も含んでいると思われる。
事実、そのようなニュース解説もあるようだ。



以前のエントリーで
「会社は仲間に入れるか否かの差」
というテーマを書いたが、
確かに現在の立場に安穏としている層がいることで、
今回の不二家事件を含めた企業の不祥事の深因に繋がっている可能性もある。
だが、正社員も正社員で大変な環境にある人がいるのも事実。




お偉方が考えるのは、
弱い立場の人間をいたわるフリをしながら、結局は自分たちが得することばかりだから、
一般庶民は常に疑いの目を持って、監視しなきゃならないんでしょーな~