いつの間にやら、もう四日。
更新も気がつくと一週間もサボっていることに愕然。


何はともあれ、本年も宜しくお願い申し上げまする。





で、新年一発目は真面目な話題で。



新聞に、大阪市立大大学院の河端隆志助教授の研究で、
サッカーのキックにおける世界のトップ選手と日本選手の動作の違いについて報告されていた。



ボールを蹴る場合、
ボールより前方に大きく脚を踏み出し、その脚が軸脚となって他方の脚を蹴り出していくわけだが、
世界のトップ選手に比べると、日本選手はその踏み出し幅が極端に短い、ということである。
つまり踏み出し脚(軸脚)とボールの距離が、トップ選手は広く、日本選手は短いということになる。



この違いは様々あるが、最も明らかなのは距離が短ければ軸脚でストップを掛けて踏ん張るようにし、且つ蹴り脚の力に頼って蹴らなければならない、ということである。

報告では、これが筋肉への負担に繋がり、体力を消耗してしまう、とある。
また、軸脚でストップを掛けるような蹴りは動作を一時的に止めることにもなり、次の動作に移るのもワンテンポ遅くなることになる。


最後に報告では、
「これをキック指導法を考える参考にしてほしい。」
と結ばれている。



それはそれで正しいし、特に異論はない。



サッカーでは今や日本のトレーニング科学の粋が結集されるので、
専門家が恐らくこれを有効に活かすので、私がとやかく言うことでもないが、一応一言を。






スポーツの世界ではよく動作解析、映像解析が行われ、
要は理想的なフォームを見て、その通りに動けば最高のパフォーマンスが得られる、となる。
ゴルフ雑誌などはその典型で、
旬のプロ選手の連続写真が載せられ、お父さん方がそれを懸命に真似る。


だが実は、
「そのように動くためには、前提条件として身体がこう動かなければならない」
とか、
「その動作のひとつ前の動きは、こうなっていないとその動きに繋がらない」
など、
実際の動きは連続写真の集合体ではないので、
最終的には「身体をどのように扱うか」にかかってくる。



やや難しい話になるが、前述のサッカーの例では、ポイントの一つは「腸腰筋」である。

(一般の方向けに解説。腰の骨と大腿骨を繋ぐ筋。)

ここの柔軟性と、ここを使う身体の習慣が身についていないと、
いくら映像で「これが素晴らしいから、この通りに蹴れ」と言っても、なかなか身には付かない。
と言うか、出来ない。



「脚」という概念は、解剖学的概念と、動作学的概念と異なり、
動作学的概念では脚は「みぞおち」(腰の骨の一番うえ)から生えている、と捉らえる方が理想的である。



無論、訓練と教育が必要だが、
その認識を改めないと、トップ選手のように大きく脚を踏み出したら、まずボールをまともに蹴ることが出来ないだろう。


筋肉的な面からみると、
日本選手(多くの)は
「軸脚の前面の筋と、蹴り脚の前面の筋」
で蹴っているのに対し、
トップ選手は
「軸脚の後面の筋と、腰に近い腹の底の筋」
で蹴っている、という違いとも言える。


あと、私なりの表現になるが、
「はさむように蹴る」か、
「歩くように蹴る」か、の違い。






世界のトップ選手のキックを映像などでみると、踏み出した脚からかなり後ろに蹴り脚が遅れて引っ張られているようになっており、
あたかもみぞおちから下が「人」の字のように割れている。

これを昔の日本人は「割れ腰」と呼んだ。



言い方を変えると、
「脚」は股関節からではなく、
「腕」は肩関節からではなく、
もっと胴体の中から生えているが如く使う。



つまり、身体観としても、
身体を限りなく「X」に近い形態として捉らえるべきであろう。