これは全ての業種に共通する点が多いとは思うが、
今回は特に私が仕事上で関係の深いフィットネス業界に特化して考察してみる。
仕事柄、様々なフィットネスクラブに行くことが多い。
そんな中でそこに従事する人や、業界内の人たちと意見を交わすこともある。
そういう場合、この部分は共感する部分が多い。
それは広い意味での「適正会員数」である。
フィットネスクラブは当然の事ながら会社なので
利潤を追及しなければならない。
そうなると基本的には沢山の会員数を確保しなければならないのが基本である。
業界にいる人は分かると思うが、
会員数が多いクラブと少ないクラブでは、接客指導の仕方が明らかに違う。
というより、変えざるを得ない。
会員数がやたら多いクラブ(4000~5000名クラス、ジムが400㎡以上)では、会員との距離をとらなければならない。
会員数が多いからと言って、その分に応じてスタッフ数を配置できるかと言えばそうも行かない。
対象者との距離が近くなるほど視野が狭くなるので、
より安全確保や困っているお客様を発見するには距離をとらないと、目の前しか見えないということになり、
これは当然のようにマニュアルなどで指導されているはずである。
逆に、先日訪問した関東郊外のクラブがそうだったのだが、
会員数が1000から1500名クラス(ジムが200~300㎡クラス)だと、時間帯にもよるが、大クラブに比べれば瞬間滞留人数が少ないので、
お客様との距離をかなり縮めても大きな問題になりにくい。
人数が少ない分、視野も十分確保できる。
つまり、何が言いたいかというと、
「どちらが幸せなクラブなのか?」という点である。
幸せとは、「お客様」「スタッフ」「会社」、それぞれにとって、という意味である。
先日訪問した郊外型クラブでは、
スタッフは1~2名しかいなかったが、ジムに来るほぼ全てのお客様に挨拶をし、言葉を交わし、その日の体調を確認し、プログラムの相談にも適宜乗り、互いに名前をほとんど覚えていて、
「そろそろ田んぼの収穫作業、忙しいでしょう~」なんて仕事状況までも把握したような世間話にも花を咲かせ…
といった具合である。
片や大クラブでは、
挨拶は一応してはいるが犬の遠吠えのようになり、
顔はどっかで見たな、ぐらいの人が大半で、
名前まで知っている人は恐らく40~50人もいれば立派な方で、
距離をとらなければ多くのお客様の状況を把握できないので傍観者的にならざるを得なくなり、
辛うじて言葉を交わすお客様もいつも同じで、それ以上踏み込んで一部のお客様と話し込んでも、他のお客様に目が届かなくなるのでそれも避けて…
という状況。
これは良いとか悪いとか、
スタッフの質が高いとか低いとか、そういうことを言っているのではなく、
同じ職種でありながら考え方をまったく別にしなければならない、ということだ。
そう考えると、前述の問いの
「どちらが幸せなクラブなのか?」であるが、
小クラブは、スタッフはほとんどのお客様とコンタクトがとれ、
互いも認識出来て信頼関係も築き易く、よって顧客満足度も高く維持出来そうだ。(ハードの問題はあるが)
スタッフもフレキシブルにお客様の個別相談に乗れ、多くの事例に遭遇することで必然的に能力も高められそうである。
大クラブでは、理想は掲げられてもなかなかこうはいかない。
あとの問題は、「利益が出せるか否か」である。
だが利益と言うのは単純に言えば売上から経費を引いたものが利益であるから、人件費の問題はあるが、出来る範囲で賃料(出店要件)をコントロール出来れば…と考えられる。
つまり、
業界の人たちと話していて意外に意見が一致するのは、
「利益が出せるのなら、会員数1500名前後のクラブが一番幸せなのではないか」
という点である。
「そんなの無理だよーっ!」
という意見が聞こえて来そうだが、
逆に考えると「1500名前後で利益が出るにはどういうクラブスタイルにしたら良いか」ということになるだろう。
1000名でも良いが、ある程度の人数がいないと「にぎわい効果」が生まれないので。
極端な例だが、先ほどの郊外クラブの究極の形が、
たとえば「わたし」のようなスタイルの人間である。
私も患者さんを含め、様々な「顧客」を数百名抱えているが、
当然の事ながら顔を知らないなんてことはない。
カルテの類はあるが、たとえ見なくてもほとんど情報は頭に入っている。
当たり前だが挨拶はするし、コミュニケーションをとっていなければ引き続いて要請は来るわけがない。
組織や形態が小規模になればなるほど、顧客との距離感は縮まり、関係性は密になれる。
責任は大きい代わりに、達成感も大きい。顧客満足度も(サービス内容が上質ならば)高い水準を維持出来るだろう。
その代わり、多くの売上げ規模は望めない。(基本的には)
だが、利益率は意外に高いかも知れない。
大規模になるほど上記の逆になっていく傾向になる。
もちろん努力である程度は小規模組織的になれる要素もあるだろう。
しかし、意外に難しいのが「従業員満足度」かも知れない。
無論、報酬の高さということになるのだろうが、こういう仕事を選んだ人種は、やはり「達成感」を欲しているものだ。
ただ、大クラブにいて、そこそこの報酬をもらい続けていると、
いつしかその感覚が薄れていくのだが。
そして、大クラブでの仕事が長いと、小クラブのような密な関係性での現場では、実は何も出来ない自分に気付いてしまう、
ということにもなりかねない。
と、まあ悩ましい問題ではあるが…
もしかしたら、1500名、できれば1000名でも利益が出せるクラブ形態の一つが
最近はやりの「サーキット型施設」なのかも知れないが…(もっと少なくても利益は出せる)
だが、これは……ねぇ。
意味が違うし…
いや、批判してるんじゃなくて、一人の運動指導者としての能力は高めにくいかな?、という意味で…
だれか、頭の良い人、考えて~
いや、すでに地方都市なんかだと、あったりします。
大クラブの人も、先入観捨ててみたら良いのに…
今回は特に私が仕事上で関係の深いフィットネス業界に特化して考察してみる。
仕事柄、様々なフィットネスクラブに行くことが多い。
そんな中でそこに従事する人や、業界内の人たちと意見を交わすこともある。
そういう場合、この部分は共感する部分が多い。
それは広い意味での「適正会員数」である。
フィットネスクラブは当然の事ながら会社なので
利潤を追及しなければならない。
そうなると基本的には沢山の会員数を確保しなければならないのが基本である。
業界にいる人は分かると思うが、
会員数が多いクラブと少ないクラブでは、接客指導の仕方が明らかに違う。
というより、変えざるを得ない。
会員数がやたら多いクラブ(4000~5000名クラス、ジムが400㎡以上)では、会員との距離をとらなければならない。
会員数が多いからと言って、その分に応じてスタッフ数を配置できるかと言えばそうも行かない。
対象者との距離が近くなるほど視野が狭くなるので、
より安全確保や困っているお客様を発見するには距離をとらないと、目の前しか見えないということになり、
これは当然のようにマニュアルなどで指導されているはずである。
逆に、先日訪問した関東郊外のクラブがそうだったのだが、
会員数が1000から1500名クラス(ジムが200~300㎡クラス)だと、時間帯にもよるが、大クラブに比べれば瞬間滞留人数が少ないので、
お客様との距離をかなり縮めても大きな問題になりにくい。
人数が少ない分、視野も十分確保できる。
つまり、何が言いたいかというと、
「どちらが幸せなクラブなのか?」という点である。
幸せとは、「お客様」「スタッフ」「会社」、それぞれにとって、という意味である。
先日訪問した郊外型クラブでは、
スタッフは1~2名しかいなかったが、ジムに来るほぼ全てのお客様に挨拶をし、言葉を交わし、その日の体調を確認し、プログラムの相談にも適宜乗り、互いに名前をほとんど覚えていて、
「そろそろ田んぼの収穫作業、忙しいでしょう~」なんて仕事状況までも把握したような世間話にも花を咲かせ…
といった具合である。
片や大クラブでは、
挨拶は一応してはいるが犬の遠吠えのようになり、
顔はどっかで見たな、ぐらいの人が大半で、
名前まで知っている人は恐らく40~50人もいれば立派な方で、
距離をとらなければ多くのお客様の状況を把握できないので傍観者的にならざるを得なくなり、
辛うじて言葉を交わすお客様もいつも同じで、それ以上踏み込んで一部のお客様と話し込んでも、他のお客様に目が届かなくなるのでそれも避けて…
という状況。
これは良いとか悪いとか、
スタッフの質が高いとか低いとか、そういうことを言っているのではなく、
同じ職種でありながら考え方をまったく別にしなければならない、ということだ。
そう考えると、前述の問いの
「どちらが幸せなクラブなのか?」であるが、
小クラブは、スタッフはほとんどのお客様とコンタクトがとれ、
互いも認識出来て信頼関係も築き易く、よって顧客満足度も高く維持出来そうだ。(ハードの問題はあるが)
スタッフもフレキシブルにお客様の個別相談に乗れ、多くの事例に遭遇することで必然的に能力も高められそうである。
大クラブでは、理想は掲げられてもなかなかこうはいかない。
あとの問題は、「利益が出せるか否か」である。
だが利益と言うのは単純に言えば売上から経費を引いたものが利益であるから、人件費の問題はあるが、出来る範囲で賃料(出店要件)をコントロール出来れば…と考えられる。
つまり、
業界の人たちと話していて意外に意見が一致するのは、
「利益が出せるのなら、会員数1500名前後のクラブが一番幸せなのではないか」
という点である。
「そんなの無理だよーっ!」
という意見が聞こえて来そうだが、
逆に考えると「1500名前後で利益が出るにはどういうクラブスタイルにしたら良いか」ということになるだろう。
1000名でも良いが、ある程度の人数がいないと「にぎわい効果」が生まれないので。
極端な例だが、先ほどの郊外クラブの究極の形が、
たとえば「わたし」のようなスタイルの人間である。
私も患者さんを含め、様々な「顧客」を数百名抱えているが、
当然の事ながら顔を知らないなんてことはない。
カルテの類はあるが、たとえ見なくてもほとんど情報は頭に入っている。
当たり前だが挨拶はするし、コミュニケーションをとっていなければ引き続いて要請は来るわけがない。
組織や形態が小規模になればなるほど、顧客との距離感は縮まり、関係性は密になれる。
責任は大きい代わりに、達成感も大きい。顧客満足度も(サービス内容が上質ならば)高い水準を維持出来るだろう。
その代わり、多くの売上げ規模は望めない。(基本的には)
だが、利益率は意外に高いかも知れない。
大規模になるほど上記の逆になっていく傾向になる。
もちろん努力である程度は小規模組織的になれる要素もあるだろう。
しかし、意外に難しいのが「従業員満足度」かも知れない。
無論、報酬の高さということになるのだろうが、こういう仕事を選んだ人種は、やはり「達成感」を欲しているものだ。
ただ、大クラブにいて、そこそこの報酬をもらい続けていると、
いつしかその感覚が薄れていくのだが。
そして、大クラブでの仕事が長いと、小クラブのような密な関係性での現場では、実は何も出来ない自分に気付いてしまう、
ということにもなりかねない。
と、まあ悩ましい問題ではあるが…
もしかしたら、1500名、できれば1000名でも利益が出せるクラブ形態の一つが
最近はやりの「サーキット型施設」なのかも知れないが…(もっと少なくても利益は出せる)
だが、これは……ねぇ。
意味が違うし…
いや、批判してるんじゃなくて、一人の運動指導者としての能力は高めにくいかな?、という意味で…
だれか、頭の良い人、考えて~
いや、すでに地方都市なんかだと、あったりします。
大クラブの人も、先入観捨ててみたら良いのに…