ゴルフの全英オープンはタイガーウッズの優勝で幕を閉じた。


私はPGAメジャーの中でも全英が一番好きだ。
あの過酷な条件…風、寒さ、雨…
その中で、選手が己の精神力を含め、全ての「人間力」を試されるようなトーナメントは他にない。
(もっとも、今回は全英にしてはかなり条件が良かったが)


その中で、下馬評通りの力を発揮しての文句なしの優勝。
最後のパットを沈め、キャディと抱き合った時に、
耳元で「この優勝は無くなったお父さんに捧げる優勝だな」と囁かれ、
思わず号泣してしまったタイガー。
そのあと妻と抱き合い、まるで子供のように奥さんの胸の中で長い間泣きじゃくったタイガー。


何の計算も無く、まさに死力を尽くしベストを尽くし、
その結果を周囲の人、家族と分かち合う。
スポーツで、これほど美しい場面は他にそうは無い。
本当にタイガーは「美しい」アスリートだ。
変に「狙ってない」のが、本当に心地よい。


急に話は変わるが、
私も当初は潔い決断を称賛した「ゴールデンゴールズ騒動」。


やはり、芸能人が絡むと、どうしても胡散臭さと言うか、
計算がアリアリで、気分が暗くなってくる。
選手に本音を問い掛けるとしたら、果たしてマイクを通す必要があるだろうか?
スーツで出て来て来場者にチーム存続の審判を仰ぐような形式をとり、
出来レースのように「やっぱり野球、やる!」
と訴え、サッとユニフォームで登場…
まるで場末のショー。


そんな演出が果たして必要なのか???


選手も弄ばれてるのではないだろうか?


いや、選手もそんなことは百も承知で、
ただ単に野球が出来れば良いから、こちらもこちらで芸能人を利用してやろうと割り切っているのだろうか?


これもスポンサーを喜ばせるには有効で、
チーム存続には金も必要なのは事実だから、これはこれで戦略か。
では、署名してくれたファンをバカにしてはいないのか?


どっちでも良いが、やっぱり「美しくない」。


結果はもちろん大事だが、やはり美しいスポーツを見たい。


また、私自身は、美しくスポーツに携わりたい。


青臭いと思われても、そうでなければ苦労してこの世界に入った意味が無い。
そのこだわりだけは貫きたいものだ。