今日は契約している取引き先のミーティングに参加。
いわば「ビジネスコーチング」のような役割である。


詳細は言えないが、その中で現場を預かる担当者から「社員比率を上げられないか」との類いの質問があった。


これは現場リーダーの立場では、このような意見が出るのはよく分かる。
サービス業は人件費ギリギリで運営しているのがほとんどなので、
「もう少ししっかり任せられる社員が欲しい」と思うのも切実な叫びだ。


企業というのは、雇用を提供し社会的に貢献するという責任も有しているので、
あまりパートばかりを採用し、ひたすら人件費を調整し利益追及のみに走る、というのも程度によっては感心出来ない。
だが、かといってあまりにも利益が出なければ出資者や株主に説明がつかず、
結果的には会社が倒産すれば多くの社員を路頭に迷わすことになる。
そのあたりは難しいところだ。



私も会社員時代、経営陣がこう言っていたのを思い出す。
「社員の諸君も経営者になったつもりで考えて欲しい」と。


だが、所詮これは無理な話。
何故かと言えば、「経営者になったことがないから」。
自分の懐に直接響かないから、ピンと来ないのである。
例えば私などは、小さいながらも一応、法人。
法人でなくても、要は一人で事業を行っていれば分かる。
私も出来るものなら人を雇いたいが、
そうすると経費だけが掛かり、利益(自分の取り分)
が減る。
それでも十分な売上があれば良いが、そうでないのであれば自分が楽になりたいだけでは人は雇えないのである。
その人を雇うことで、確実に売上が上がるということが、論理的に説明がつけば別だが。


これはかなりミニマムな話だが、
基本はこの最小単位の話と同様。
社員として雇われていると自分の給料が確保されているので、この辺の感覚が実感できないのは無理からぬ話であるのだ。
もし独立採算で、「所属店の売上から自分の給料もひねり出せ」と言われたら、
悠長に「社員を増やしたい」とは簡単には言えない。


もちろん、人件費率や労働環境が適切であるかは、
客観的に精査していく必要はあるが、
企業に所属する以上、まずは利益を出さないと存在価値はないのもまた事実。


これは個人の生活に置き換えても分かりやすい。
生活が厳しければ、今まで気にしなかった電気もこまめに消すようになるし、
冷暖房機の使用を我慢したり、風呂の残り湯を洗濯にりようしたり、
やはり「経費節減」を工夫するもの。
企業経営も基本的には同様だ。


だが、やはり雇用されていると、
同じような「経営的視点」を持つのは難しい。
視点を変える、とは言葉にすると簡単だが、
「…の身になる」と言うのは、口で言うほどたやすくない。
一番簡単なのは、実際に経営をさせるのが一番だが。