私はトレーナーとなった今でも筋力トレーニングを欠かさない。
私は必ずしも「トレーニングコーチ」でも「フィジカルコーチ」でもなく、「トレーナー」だから、
考え方によっては別に筋力を維持向上させる必要は無い、と言えなくもない。
(健康維持のため、という事は別にして)




例えば、プロ野球やサッカーのトレーナーが日常的にトレーニングをしているか?と言えば、そうとは限らない。
日本の場合は、トレーナーの概念が欧米と異なるので、
この辺りは個人の考え方に依る。




私も、担当している選手やチームによって求められるものが違うので一概に言えないが、
私が基本的に指導することが多いのは
「身体の効率的な使い方」
である。
つまり、ある意味では「筋力」とは対極的な部分である。




「筋力」とは、パフォーマンスを発揮させるための一要素に過ぎない。
これは「筋力」を否定する、ということではなく、
「筋力向上」で全てが解決されるわけではない、という意味である。
だが、悲しいかな多くの指導者や選手は、無意識にこのような思考や呪縛に陥ることが多い。




繰り返しになるが、筋力を否定するのではなく、
明らかに筋力は絶対的に必要である。
だがそれが全てでもない。
むしろ、筋力のみに固執したばかりに、パフォーマンスを落とす場合もある。
筋力はあくまでも、数ある要素の中の一要素に過ぎないのだ。
また、全ての要素の重要度は、基本的にはすべてイコールであると考えるべきである。
どの要素だけが必要で、どの要素は不要、ということはない、ということである。




私がトレーニングを欠かさないのは、
(現在、40歳を大幅に超えているが、人生において過去最高の筋力を維持している。落ちている箇所は部分的にはあるが…)
「筋力万能説」を否定したいためでもある。
(もちろん、中年太り防止という意味もあります。)




筋力もなく、身体も貧弱な人間が、
「筋力は必ずしも必要無い。それよりも重要なことがある」
と言ってみたところで、単に負け惜しみにしか聞こえず、説得力に甚だ乏しい。
ある程度の筋力を有している人間が
「筋力も重要だが、他の要素を高めないと筋力が活きない」と諭すことに説得力が生まれるのである。



少なくとも私はそう考える。



私はどちらかというと、筋力以外の要素がパフォーマスには重要である、と考えており、
日々その研究をしている。
つまり、そのことを訴えたいが為に、己の筋力レベルを落とさないよう、トレーニングを欠かさないので
ある。
つまり、目的がまったく違う、ということだ。
恐らく私のトレーニング風景を見ている人は、
「あのオッさん、トレーニングが好きなんだろうなぁ」
と思っているだろうが、実はそんな理由ではない。
そこがアマチュアとプロの感覚の違いである。
傍から見ているだけでは分からないものだ。



いわゆる、ストレングスコーチなら当たり前ではあるが。






…あ。…


理由がもう一つ。





若いおネエちゃんにもてたい、ってこともあります。



いや、これはホンと。