初代MVPに松坂が輝く 最後まで“お粗末な”オチも - livedoor スポーツ
日本中が湧いたWBCも、日本が奇跡の優勝!ということで、
最高の結果で幕を閉じた。
いろいろ想う事はあるが、
映像でもこれを見た方も多いだろう。
第1回の国・地域別対抗戦「ワールドベースボールクラシック(WBC)」で初代世界一に輝いた王JAPAN。その栄えあるMVPには松坂大輔投手が選ばれた。
おどけた様子で報道陣のインタビューに答えた松坂。驚いたのは、MVPを“取った”ことだけではなかった。
「自分では結果を出したとは思いませんが、チームとして、こういう結果を持って帰ることができてよかった。選手皆が、自覚を持ってプレーをして、それがテレビを見ている人にも伝わったと思います」。興奮気味に語った松坂。MVPを獲得したが、という問いかけには
「MVP、取れたけど、とれちゃった・・・」
と、MVPトロフィーの一部が壊れて取れてしまっているところを、いたずらっぽく見せつけた。
「まあ、こういうのもアメリカっぽいですけど、あとで自分で接着剤でくっつけます」
インタビュー中に映ってましたな。
手違いとはいえ、トロフィーがいきなり壊れるなんて、前代未聞。
松坂投手が言うように、アメリカらしいっちゃらしいが…。
ま、勝ったからいいでしょ。
様々なことが大会前からあったイベントだった。
キューバが参加できない、というような事態になったり、
時期的な問題もあり多くのメジャーリーガーが出場を辞退したり、
日本国内でも大会に対して賛否両論があったり、誤審問題や組合わせの不手際etc…
まあ、それはこれから次の開催に向けて話し合われて解決の道を模索するのだろうから、
専門家に委ねて静かに見守りたいと思う。
問題は起きたとしても、それは解決していけば良いことだ。
とにかく時間の針を元には戻さないことだけ願う。
さて、私の世代からすると、今回の優勝はまた違った感慨を持つ。
私が子供の頃は、ちょうど巨人のV9の晩年。
長嶋茂雄選手も同時に晩年を向かえていた頃だ。
「巨人・大鵬・卵焼き」時代の終わりごろとも言える時代である。
(そうそう、私、大鵬の現役最後の取り組みもテレビで見てましたわ…)
当時から日米野球はあるにはあったが、
シーズン後に、メジャーリーガーも半ば観光気分で来日していたので、
真剣勝負にはほど遠く、完全な親善試合。
だがそれでも真剣に立ち向かう日本チームは、ほとんどアメリカに歯が立たなかった。
新聞紙面に踊るのはメジャーリーガーたちの、
「日本の~選手はアメリカでも通用する!」といった社交辞令のようなコメント。
試合には勝てなかったので、我々ファンはそんなコメントで「やっぱな~、あの選手はメジャーでも通用するよな~」と、
当時日本人選手がメジャーで活躍するというのは夢のような時代だったので、
そんなコメントで自己満足して楽しんでいたことを覚えている。
王貞治選手がハンクアーロン選手の記録を抜いて世界記録を打ち立てても、
「メジャーと日本野球ではレベルが違う」
「球場の広さが違う」
「投手のレベルが違う」
などと、結局はアメリカでも全てに於いて評価されていたわけでない事は日本人も知っている。
野茂投手をはじめ、何人かの選手がメジャーリーグで活躍するようになっても、
「それは日本選手の中でもごく一部の人間だけ」
と、決して日本のレベル全体の評価が上がったわけでは無かった。
つまり、今まで私たちは「想像」と「空想」「希望」だけで日本と世界(ほとんどアメリカ)との距離を測っていたに過ぎなかった。
およそ40年近く野球を見てきて、長嶋・王、巨人の黄金期なども全てリアルタイムで確認もできて、
前述のような思いも体験してきた世代からすると思いが何倍にも感じられる。
また、その王さんが監督としてアメリカの地で胴上げされるとは、何という因縁だろうか。
どんな演出家でも描けない、長い歴史を経た上での最高のドラマだった。
イチロー選手の、
「不可能なことは分かっているが、出切るものならこのチームでメジャーで一年、やってみたい。」
というコメントが、何とも夢を増幅させてくれた。
もし、実際にやったらどうなるんだろう。
考えるだけでも楽しくなるのは私だけ?