昨日は「教育実習生の受けるセクハラ問題」について
書いたが、
今日はさらに深刻な、介護現場でのセクハラ問題が報道されていた。
Yahoo!ニュース - 河北新報 - セクハラ ホームヘルパー4割被害 急がれる防止策
身体障害者や高齢者らから、セクハラを受けた経験のあるホームヘルパーが4割近くにも上ることが、山形県中山町の社会福祉士の調査で明らかになった。
介護現場でセクハラが頻発していることは以前から指摘されていたが、「密室の出来事」とあって表面化しにくいのが実情だ。上司に相談しても、まともに取り合ってもらえず、泣き寝入りを強いられることが多いことも分かり、高齢化社会を支えるヘルパーたちの悩みが深刻になっている。
「30代の身体障害者の自宅で入浴介護をしていたら、『下半身を触ってくれ』と頼まれた。うつろな目をした利用者の顔が、今も頭にこびりついて離れない」
山形県内のホームヘルパーの女性は、体験談を話しながら顔を曇らせた。その場は「何を言っているの」と拒絶したが、「また行かなければならないのか」と憂うつになったという。
現在、女性が所属する事業所は防止策として複数のヘルパーで担当を回しているが、他のヘルパーにも「好きだ」「彼氏いるの」など、言葉によるセクハラは続いているという。
山形県中山町の特養ホームに勤務する社会福祉士荒木昭雄さん(45)は、東北福祉大通信制大学院の修士論文をまとめるため昨年末、県内ヘルパーにアンケートを実施。1179人に配布し、404人から回答を得た。
「セクハラされた経験がある」と答えたのは153人(37.9%)。自由記述では「利用者の息子に押し倒されそうになった」など、犯罪になりかねない事例の報告もあった。
関係者の多くが被害多発の背景に挙げているのが、2000年に介護保険制度がスタートし、利用者との関係に変化が生じたことだ。ある関係者は「在宅介護が有料となり、一部利用者に『サービスを購入しているのだから何をやってもいい』という意識が生まれた」と指摘する。
アンケートでは「セクハラを拒否したら契約を打ち切られ、事務所での立場が悪くなった」などの記述も目立つ。荒木さんは「上司に相談した場合でも『すきがあるあなたが悪い』と言われ、個人で悩みを抱えざるを得ない」と解説する。
荒木さんの問題提起を受け、山形県ホームヘルパー協議会事務局は、来月開く総会で被害実態を調査する。「ヘルパー個人が解決できる問題ではない。介護のプロとして事業所やヘルパーが一体となり、セクハラ防止のための有効策を検討していきたい」と話している。
私がこのようなセクハラ問題を取り上げるのは、
実は以前に会社勤めをしている時に、私は社員教育などを担当していたのだが、
現場スタッフから上司からのセクハラの相談を数多く受けていたからである。
内容は、とてもここでは書けない様な卑劣なもの。
昨日のエントリーでも書いたが
、
己の立場の優位さを利用して、文句が言い難い立場の人にセクハラを行なうという、
いわゆる「ポジションパワー」に頼る行為がどうしても許せなかったからである。
誤解を恐れずに言えば、どうしてもそういう事がしたかったら、
金銭を払って、そのような店や場に行って、正当なサービスを買えばよいのだ。
「手近で。タダで」という姑息な考えが、同じ男として許せなかった。
しかし、このような介護現場でのセクハラは、少し状況が異なる。
記事にあるような、
「セクハラを拒否したら契約を打ち切られ、事務所での立場が悪くなった」
や、
「『サービスを購入しているのだから何をやってもいい』という意識」
という状況は、言語道断だが。
障害を持っている方でも、許されないものは許されない。
その一方で、障害を持っている方々の「性」の問題は無視出来ないと以前から考えていた。
このニュースには、様々な問題を含んでいる。
私たちに性的欲求や、異性を好きになる感情がある事は、
当たり前だが障害を持った方々にも同様にある。
これは3大欲求の一つであるので、人として当然得られるべきものであるのだ。
それに関連して、話題になった本に次のものがある。
セックスボランティア
読んでいただけるのが早道なので、詳細は割愛するが、
障害者の性の現場を描いたルポである。
そのような方々を対象に、サービスを提供する店もあり、
現場のヘルパーの方々の苦悩もまじめに書かれている。
重度の障害者の方などは、人工呼吸器を外してまでも、
まさに「命がけ」で性的接触を望む人もいるのである。
もちろん、セクハラ行為は到底容認出来るものではないが、
一方で障害者の「性」の問題も(高齢者の性も同様だが)
そこに「臭いものに蓋」をしているだけでは問題は解決しない。
「眠い」「空腹」を他の行為で代用出来ないように、
「性」も他では代用出来ないのだ。
ましてや、自分の身体が思うように動かない方は、
自分では解消の方法も無く、どうしようもないのだ。
これまた誤解を恐れずに言えば、
これから高齢化社会を迎え、
高齢化と言う事は、少なからず障害を持って余生を送る事も可能性として十分考えられるわけで、
そういう部分に特化した「サービス提供ビジネス」が現れても良いと思う。
いや、実際は出現しているのだろう。
水面下で。
何度も言うが、セクハラは許すべきものではないし、
全く別の話かも知れないが、
欲求は消滅させる事は出来ない。
のであれば、そこをうまく解消させる仕組みづくりも、
ニーズがある以上、必要なビジネスであると思うのだが。
もちろん、男女問わずの問題、である。