前回は 私自身をを「究極の雑草型トレーナー」として、「王道型トレーナー」の対比として解説してみた。
さて、前回の最後に書いた、「王道型」と「雑草型」の中間とは…?



私のような“明確な資格を持たないトレーナー”を「雑草型」として、
“中間”とは何らかの「国家資格」を持って、トレーナー活動を目指すルートである。
つまり、
「鍼灸師・マッサージ師・指圧師・柔道整復師・理学療法士・作業療法士」
などである。
これらは全て「国家資格」である。



以前のエントリーにも 書いたように、
日本では未だに「治療的処置(施術)」を求める声が多くのアスリート・チームにあり、
特に「鍼灸師・マッサージ師」はニーズが高い。
鍼灸師などは、鍼灸の団体で「鍼灸トレーナー」なる認定や教育なども始めており、
こちらの「医療類似行為」の方向から「トレーナー(的)」活動を目指すやり方もあると思われる。




このような日本の現状を睨んで、
NATAのATC資格 や、日体協AT取得 の後だったり、
同時進行で「鍼灸師」などの資格を目指す人も多い。
それだけ現場のニーズが高いわけで、
この「アスレティックトレーナー資格」と「鍼灸師」の資格の両方を目指す事が、
ある意味に於いては、「究極の王道型」と言えるだろう。





さて、私が大変お世話になっているこちらのトレーナーの方 より、
「理学療法士はどうなのか?」とのご質問をいただいたので、
少し書いてみたい。

(例によって、あくまでも私見なので、間違ってたら指摘して下さい。)




私の施術所に、患者さんとして理学療法士の方がいらっしゃっている。
(病院に勤めているのに、これはこれで問題かも知れないが。)
その方と、施術中に色々、そちらの業界の事を尋ねてみた。



理学療法士(リハビリテーション)は、学校を出て国家試験に合格すると、
いずれかの病院に就職をする。
基本的には、贅沢さえ言わなければ就職は100%だそうで。
実はその、「贅沢さえ言わなければ…」がミソらしい。



理学療法士の学校に入る人の中にも、当然「スポーツトレーナー」になる事を考えて入学する人も多い。
そうなると、卒業後もそれに絡んだ経験を積める病院を目指す事になるが、
病院の「リハビリ室」というのも、医師の「専門」のように、
その病院によって主に力を入れている部分が異なるらしい。



例えば、「回復期専門」とか、「脳麻痺専門」とか…。
ほとんど「老人」を専門にしている病院もあるし、ほとんどホスピスのような所もある。
また「整形」が中心、と言っても、
その中でも「肩関節」が多い、「膝関節」が多いなど、かなり特色があるらしいのだ。
そうなると、「トレーナー」を目指すとなると、数箇所の病院を渡り歩かなければならず、
それに希望通りの専門を扱っている病院にタイミングよく入れるとも限らず、
実態はなかなか難しいようだ。



また、病院としては「整形外科を中心に」扱っていても、
直属の上司が「アスレティックトレーナー」のようなものに興味が無い人がいると、
結局は現場でリハビリ以外の事をやるとかなり嫌な顔をされるらしく、
結局は自分のプライベートの時間で勉強するしかないそうだ。
我々は「理学療法士」と言えば「リハビリのエキスパート」と考えがちだが、
実は、経験のある部位以外については、意外に知らない事も多い。




ただし、そうは言っても医療機関での経験は大変貴重だし、
「アスレティックトレーナー資格」と併せていれば、重宝がられるであろう。
ただ、スポーツの現場、という事を考えると、
のんびりリハビリ、というわけにも行かず、
「リハビリなら病院に任せりゃ良いじゃん」となる可能性もあり、
現場のトレーナーは別の能力を、という事になるかも知れない。



だから「トレーナーになるには理学療法士は意味無い」という事ではなく、
他の何か(手技療術的な技術、トレーニングに精通している)の能力を持てれば、
やはり有効であるし、万一トレーナーに就けなくても仕事的には潰しが利くだろう。






まとめると、
「王道型」を通ってのトレーナーを考えるならば、
まずは何らかの(日本・アメリカ)アスレティックトレーナー資格を目指し、
次には、敢えて優先順位を付けるなら「鍼灸師」を取り、
時間・金銭の事情が許せば「理学療法士」が取れれば鬼に金棒、となるのではないだろうか。



少なくとも、今の日本では。



いかがでしょうか?