以前に「コンバインド(複合)選手」のトレーニングについて書いた時、
身体の「中心感覚」「軸感覚」について書いた事があった。


それについて、ノルディックスキー複合のコーチからご質問をいただいたので、
お答えしたのだが、
(「軸」「中心」についての解説と、器具を使わないで出来る「軸」感覚の高め方)
せっかくなら、と、多少アレンジ&抜粋してエントリーに載せる事にした。
以下、どうぞ。

 





「体軸」「中心」の感覚というのは、
結局は「感覚」の問題になってしまうので、
「正解」は有って無いようなもんなんですね。
究極は、その選手の「主観」には入っていけないわけで、
「分かった」って言ったって、本当に「分かって」るかは確かめようが無いし。
指導者が客観的に見て「変わった」かどうかを判定するしか無い事になります。
だから、このメールの文面で説明するのは難しいですねぇ。
 
 
それと「道具を使わないトレーニング」というのも、説明が難しい。
方法が無いわけではないのですが、
その方法はあまりにも単純な方法なので、
「身体の中に“ホッピング”をイメージして、身体の中で“弾め”」
という話になってしまいます。
言葉にすると。


ただ、その方法だけを説明しても、誰もやらないと思います。
その前提の話を色々してあげないと。

例えば、ナイフでりんごの皮を剥く、という作業も
「軸」の感覚が身体に備わっていないと、うまく行かないんですね。
あれはりんごの「中心がどこにあるか?」の感覚があるから、
それに対して常に何度程度の角度にナイフを当てて、
その角度を保ちながらナイフを動かすには、どの程度の力を加え続けるか、
という複雑な作業なので、ある意味では一流の料理人は「軸感覚」が優れていることになります。


つまり、アスリートも、
地球の「中心」が分かっているからこそ、
りんご同様、どの方向にどの程度の力を掛けて行くべきで、
その時の自分の「身体の軸」を、ナイフで言うとどの程度の角度で
地球という「りんご」に当て続けるべきか?が無意識に理解されているはずなのです。
練習は「意識的」に。実戦は「無意識的」に。
だから練習では、コーチの「言葉」が重要なのです。

ラーメンの湯切りもそうです。
あれを腕だけでやっている職人は三流。
身体の軸上に沿って、あくまで身体で振らないと、
短時間に完璧な「湯切り」を完成させることは出来ません。
長い時間、空気中に麺を出していては、味が落ちてしまいます。
札幌のラーメン店は詳しくは知りませんが、
色々見てみることをオススメします。


音楽家や画家などの芸術家の動きにも同様の意識が見て取れます。
特に音楽家は分かりやすいですね。
ヴァイオリニストやピアニスト、ヴォーカリスト、
誰を見ても、明らかに「中心軸」で楽器や声を奏でています。
(TVで目にするところでは、森山直太郎さんの“高音”を出す時などは、
 身体の軸ピンとさせて声を通す、というのがとても分かりやすいですね。
 これ以上言うと、「怪しい奴、危ない奴」と思われるので、止めときます。)
 

ただし、普通にこんなことを選手に言ったって、
「何?それ。コーチ、バカじゃないの?」と思われるのがオチで。
一見バカバカしかったり、単純そうな事を、
どのように選手に「理解・納得・感心・関心」させるかが重要なので、
その「説明技術」が大切だと思います。
スポーツに懸け離れたように見える理論や、道具を使わない単純な方法ほど、
指導者の力量が問われるのでしょうね。

 

 

 

 


これだけで分かりますかねぇ。

どうでしょ。


実は最近分かった事なのであるが、
トレーナーがよく行なう「テーピング」も、
実は「身体で行なう方が上手く行く」事が分かった。
文章で詳しく説明するのは難しいのだが、
常に自分の身体の正面にテープ(皮膚に貼る面)を持って来るようにすると、
ズレが少なく、かなり美しく巻ける。
最低でも自分の身体の「幅」の中で行なうようにする意識が肝要であるようだ。
まさしく、一流の料理人や芸術家のように、「身体で」行なう感覚である。


こういう事が分かると、結構、感動ものっすよ。