昨日は、仕事の途中に時間が空いたので、
通り道という事もあり、
ある運動機器メーカーの本社にお邪魔した。
セノー株式会社という会社である。




フィットネスクラブにあるような各種トレーニングマシンも作っているが、
一般の人の目に触れるのは、
体操競技やバスケット、バレーボールの国際大会。
ゴールやポール、あん馬などはこの会社の製品が多く、
senohのロゴを目にする事も多いはず。


以前、私が勤め人を演じていた時に、
取引していた関係もあり、今でも時折相談を受けたり、
情報交換を行ったりしている。


こちらの会社はそれほどでも無いが、
一般的にこういう体育機器、特にトレーニングマシンメーカーは、
相変わらず苦しい立場にある。
まず、ユーザーである各社からは大幅な値引きを要求され、
その為、利益は非常に少ない。
100万円の商品を売っても、利益は数万円だろう。
もちろん、ローコストで製作をする企業努力は必要だろうが、
それにも限界はある。


また、こういうメーカーはメンテナスも自社で行うケースが多く、
例えば自分の自動車が故障したら、当然修理代を払って修理をする訳だが、
こういう商品の場合、何故か強烈なクレームを受ける。
購入して1~2年経っていても、
「こんなに早く不調になったんだから、タダで直せ」などと言われることも少なくない。
また、自動車だって数ヶ月ごとにオイル交換が必要な訳だが、
トレーニングマシンの場合、クラブ側が最低限度のメンテナンスすらしていないケースが多い。
それでも、「マシンが悪い」と言われる事が多いのだ。
確かに、粗悪なものもあるが、最近ではほとんどそういう事は少ない。
にも、拘わらず…。


電化製品が壊れた場合、基本的に修理は販売店に依頼するわけで、
松下の製品だから松下本体に直接クレームが行く事は少なく、
「タダで直せ」などと理不尽な事を言われることも、まず無い。
(数日で壊れれば別だが)


何故このように弱い立場に立たされるかと言うと、
圧倒的に商業規模が小さいからだ。
トレーニング機器などというものは、基本的にはフィットネスクラブや公共運動施設に限られ、
そこから「お宅からは買わない」と見放されると、
商売として成り立たない。
まして、しょっちゅう買い換えるものでも無い訳で。
ごく一部の大手企業にすがるしか無いのが実情で、
他には「ユーザー」が見つけ難いのである。
電化製品のように、多くの顧客が潜在的にいるわけでは無いのだ。


そこで、基本的には無謀な値引きや、
言いがかりのようなクレームにも、譲歩して受けなければならない事情がある。


要は、フィットネスクラブ運営会社側の営業努力の不足のツケを、
マシンメーカー側が払わされている、という側面もある。
もちろん、メーカー側の努力も足りない面もあろうが、
この弱者・強者の構図は、どうも好きになれない。
私も勤め人時代、この間で右往左往していた事もあったが、
何ともすっきりしない日々を過ごしていたことを思い出す。


ちなみに、以上の話は実状も踏まえているが、
大部分は私が様々な経験を通しての、推察である事を付け加えておく。
メーカーさんが私に涙ながらに訴えた訳では無いので、あしからず。


別に、どちらが正しい・誤り、という話では無いが、
ま、ビジネスは大変だなぁ、と。