こちらのエントリーの続き。
前回、薬物不正使用(ドーピング)の発覚には“密告”などの
情報提供で発覚する事が多い、と書いた。
今回はそれに関して、詳しく。
前回同様、読売新聞の記事(2004.12月22日)を、
より分かり易く簡潔にまとめ、
表現も一部変えてある事をご了承いただきたい。
アヌシュ選手が所属していた陸上クラブは、シドニー五輪以降に移ったクラブで、
移籍以降に急速に頭角を現した。
アテネで同じく金メダル剥奪となった、円盤投げのファゼカシュ選手も同様の経緯を歩んでいる。
アヌシュ選手はシドニーでは17位だったが、翌年に83m39を投げて欧州ランク1位に。翌年の2002年欧州選手権で優勝。2003年世界陸上ではファゼカシュと共に銀メダルを獲得。
移籍したクラブのコーチは現役を退いてから日が浅く、コーチ経験は浅い。
「何故、結果が出たのか?」という声は、当時からあったようだ。
薬物使用の噂は、最初に競技現場や関係者の間から出て広まることが多い。
ファゼカシュ選手などは「薬を使っても捕まらない」と豪語していたとも言われている。
五輪の1年以上前から、国際陸連や世界反ドーピング機関(WADA)などに舞い込み始め、アヌシュ選手追求の布石となった「投てき集団」と名乗るグループからの密告状は、
「ハンガリーの投てき選手が特定の器具を使って、薬物検査で不正を働いている」という、写真付きの詳報だった。
この“密告”は、アヌシュ選手のかなり近い人物から出た、と言われている。
噂の域を出ないが、同じクラブ所属か、または以前の所属クラブの選手では?とも…。
薬物使用は、通常小さな集団の中で行われるらしい。“密告”のような情報漏れは、その仲間に入れなったか、疑問を持っている者から起きる事が多いようだ。
ある選手が、このようなコメントを。
「トップ選手の練習量はすさまじい。体力回復に皆が何かしらを使っている。違いはそれが禁止薬物リストに載っているかいないか。ただそれだけだ。」―――。
かなり以前のエントリーで、
「薬物とサプリメントの境界線は、ますますボーダーレスに」
というような趣旨の事を書いた。
記事にもある、“ある選手”が言っているように、
“ドーピング”とは、
「現時点」で禁止リストに入っているか、いないか、が論点になっているのであって、
現在、リストに入っていないものも、近い将来、禁止になる物も出て来るだろう。
また、ドーピングをアシストする側は、
現時点で禁止リストに入っていない物の中で、効果の高い物を探したり、作ったりするのだろう。
ここが、“イタチゴッコ”たる所以(ゆえん)だ。
ここはどのように、“明快”な境界線を設けるのか―。
それともう1点、気になった事が。
“密告”の多くが、「正義感」や「倫理観」という事よりも、
「美味しい思いをさせてもらえなかった事への、仕返し」という理由も多い、という点だ。
哀しいかな、これも人間。
良いんだか、悪いんだか。
前回、薬物不正使用(ドーピング)の発覚には“密告”などの
情報提供で発覚する事が多い、と書いた。
今回はそれに関して、詳しく。
前回同様、読売新聞の記事(2004.12月22日)を、
より分かり易く簡潔にまとめ、
表現も一部変えてある事をご了承いただきたい。
アヌシュ選手が所属していた陸上クラブは、シドニー五輪以降に移ったクラブで、
移籍以降に急速に頭角を現した。
アテネで同じく金メダル剥奪となった、円盤投げのファゼカシュ選手も同様の経緯を歩んでいる。
アヌシュ選手はシドニーでは17位だったが、翌年に83m39を投げて欧州ランク1位に。翌年の2002年欧州選手権で優勝。2003年世界陸上ではファゼカシュと共に銀メダルを獲得。
移籍したクラブのコーチは現役を退いてから日が浅く、コーチ経験は浅い。
「何故、結果が出たのか?」という声は、当時からあったようだ。
薬物使用の噂は、最初に競技現場や関係者の間から出て広まることが多い。
ファゼカシュ選手などは「薬を使っても捕まらない」と豪語していたとも言われている。
五輪の1年以上前から、国際陸連や世界反ドーピング機関(WADA)などに舞い込み始め、アヌシュ選手追求の布石となった「投てき集団」と名乗るグループからの密告状は、
「ハンガリーの投てき選手が特定の器具を使って、薬物検査で不正を働いている」という、写真付きの詳報だった。
この“密告”は、アヌシュ選手のかなり近い人物から出た、と言われている。
噂の域を出ないが、同じクラブ所属か、または以前の所属クラブの選手では?とも…。
薬物使用は、通常小さな集団の中で行われるらしい。“密告”のような情報漏れは、その仲間に入れなったか、疑問を持っている者から起きる事が多いようだ。
ある選手が、このようなコメントを。
「トップ選手の練習量はすさまじい。体力回復に皆が何かしらを使っている。違いはそれが禁止薬物リストに載っているかいないか。ただそれだけだ。」―――。
かなり以前のエントリーで、
「薬物とサプリメントの境界線は、ますますボーダーレスに」
というような趣旨の事を書いた。
記事にもある、“ある選手”が言っているように、
“ドーピング”とは、
「現時点」で禁止リストに入っているか、いないか、が論点になっているのであって、
現在、リストに入っていないものも、近い将来、禁止になる物も出て来るだろう。
また、ドーピングをアシストする側は、
現時点で禁止リストに入っていない物の中で、効果の高い物を探したり、作ったりするのだろう。
ここが、“イタチゴッコ”たる所以(ゆえん)だ。
ここはどのように、“明快”な境界線を設けるのか―。
それともう1点、気になった事が。
“密告”の多くが、「正義感」や「倫理観」という事よりも、
「美味しい思いをさせてもらえなかった事への、仕返し」という理由も多い、という点だ。
哀しいかな、これも人間。
良いんだか、悪いんだか。