前日のエントリーに続いて。


選手でも、学生でも、
「あそこが痛い、こちらが痛い」と、色々怪我などを抱えている者が多い。
まあ、私の場合患者さんもいるが、これは当たり前。


ただ、問題なのはその対処法。
「イタイイタイ」と言っている割には、するべき対処を自分で取っていないのだ。

つまり、「アイシング」。
“氷で冷やす”ということだ。


余りにも当たり前すぎて、且つ簡単な方法であるが故に、
なかなか実行しない者が多いのだ。
アスリートでも、競技がほとんど職業であるにも拘わらず、しない者が多い。


これは全ての根本的な基本なのだが、
“痛み”や“不具合”のある箇所(これは筋肉や関節に限らないが)は、
基本的には“炎症”が少なからず起きている。
(話を広げれば、「病」は全てが“炎症”である。~炎、という名前の通り。)


実は、痛みや不具合を治癒させるには、
この“熱”を如何に“処理するか”なのだ。
熱処理が上手く行かなくなった時に、
人体は“痛み”や“種々の障害”を起こす。
(内臓も同様である)
それも、「次の日に持ち越さない」ことが重要。
私は、「その日の熱は、その日のうちに」と、口癖のように言っている。
翌日に持ち越していけば(実際には就寝している間に、ある程度処理する能力はあるが)、
その熱に翌日の活動による熱が上乗せされて、ますます治癒が遅くなる。
場合によっては、さらに大事になる事もある。



以前のエントリーで、
「自動車」を例に挙げて説明した事があった。
自動車も、熱処理が上手く出来ないとオーバーヒートを起こし、
それでも無理に動かせば、エンジンが焼き付き、車はパーになる、という話


アスリートに限らず、
昔の古傷や、関節痛など、
医者に行くほどの痛みで無いモノも、ほとんど「アイシング」で対処できる。
「痛い」と言っている暇があったら、
面倒がらずに、まずは“冷やす”ことだ。


この場合、「氷」が一番。
「アイスノン」のようなアイスパックもあるが、
あれは冷凍庫で冷やすと、0度以下になる。
実は人体には、“0度”である事が重要なのだ。
その点、氷は完全に解け切るまで、皮膚に接触している部分は0度である。
安くて、簡単で、最高の冷却材だ。


それと、よくある質問だが、
「湿布」は、冷却という意味に於いては、ほとんど効果はない。


よく、「冷やしてないけど、湿布したよ」と、
「湿布=冷却」、と考えている人も多いが、全く別物だ。
最近は研究が進み、痛み除去成分が配合されている湿布もあるが、
それも「冷却」とは関係が無い。
こんなことはほとんどの人は知っていると思うし、
このblogを読んでいただいている方々は大丈夫だと思うが、
それでも世間一般の認識は、多くはこの程度なのが現状だ。


「冷やす」という対処を、簡単過ぎるが故に、軽視すること無かれ。
絶大なる効果があること請け合い。
根気良く続けていただきたい。


それと、自分の身体を治すのは、最後は自分でしかなく、
如何に早く治癒させるかも、自分の日々の対処如何であることをお忘れなく。