今日は急遽、“膝”を痛めた患者さんを診た。
初老の男性で、力仕事をして、その時は問題は無かったのだが、
日を追う毎に膝に痛みが出て、診療の依頼が来た。


診てみると、明らかに内側半月版を若干傷付けているらしかった。
種々の手技を施し、痛みや違和感はかなり軽減。


痛めた後に、自分でどのような対処をしたかを尋ねてみると、
「風呂でよ~く暖めた」とのこと。


これは、一般の方は仕方が無いが、
受傷後、暖めるというのはもってのほか。
私が例え話に用いるのだが、
“火事場に油を撒くようなもの”と評する。
受傷後に最も重要な事は、如何に早く“熱”を抑えるかという点だ。
しかし、悲しいかな、これだけ様々な健康情報が発せられていても、
肝心な事に関する認識は、未だこのような状況だ。
この患者さんに限らず、まだ日本の多くの方が、同様な認識を持っている人が大半だろう。


私の臨床経験からすると、
受傷後、1分でも早く冷却(アイシング)出来たほど、治癒が早い。
基本的には、受傷後「3分以内」か否かで、治癒スピードが格段に違う。


また、面白い現象だが(面白い、とは言っていられないが)
他の部位はともかく、“腰”に関してだけは、
ほとんどの人が受傷直後も“暖める”対応をとる。
何故か腰だけは、“暖めて”いる。
(いわゆる“ぎっくり腰”も)
どうも、「腰」だけは、「暖める」という公式が頭の中にインプットされているようだ。
腰の関節だけが特別な機構を持っているわけでは無いのだが…。


場所を問わず、受傷後は“炎症”を起こしているのだから、
まずは“冷やす”こと。
私は、受傷後に時間が経っていても“冷やす”ことを奨励している。
この事については、また時を改めて書こうと思うが、
とにかく、ポイントは受傷後、如何に早く“アイシング(冷却)”するか。


これで治り具合や回復スピードが、各段に違うのである。