今日からまた、チーム雪印の選手を札幌から呼んでのミニキャンプ。
まだまだではあるが、この選手、
最近だいぶ私が教えている感覚を掴み始めつつある。
ま、あまり言うと本人が調子に乗るので、あまり言っていないが。


スキージャンプの話なので、一般の方になかなか分かりづらいが、
最近この選手と話すのが、以前のエントリーでも書いた、
「主観と客観のずれ」である。


どういう事かと言うと、
基本的にはジャンプの飛び出しの際、
あまり上半身が突っ込みすぎるのは良くない。
(俗に、この世界では「刺さりすぎ」と表現する)
しかし、トレーニングが進んでくると、
自分では「刺さりすぎ」と思っても、映像で見るとそれほどでも無く、
むしろ良い塩梅になっている事も多い。無論、結果も良い。


要は、そのように「ずれが生ずる」という事を理解しておく必要がある、という事だ。
逆に、ビデオ映像をあまりにも気にし過ぎて、自分の感覚を無視して、
ビジュアル的なフォームばかり重視し過ぎるのも、失敗するケースもある。
あくまでも人の動きは3次元であり、映像はあくまで2次元であるからだ。


もちろん、感覚のトレーニングをしていないと、
逆に自分の誤った“感覚”を信じすぎると、これまた失敗する。
そこを指摘・指導する指導者がいれば良いのだが。


現在も、この選手に「立ち方」を指導している。
以前のエントリーでも「立ち方が大事」であることは書いたが、
自分の立っている形(客観)と、自分の感覚(主観)には、
かなりトレーニングを積んでいても“ずれ”がある。
そこを近付けていく事が、重要なポイントになる。
「まっすぐ立っている」と思っても、全くそうはなっていない事がかなり多い。


高いパフォーマンスを発揮するには様々な要素が絡み合うが、
この「主観と客観のずれ」が少なくなるほど、結果は自ずと付いて来るはずである。