この時期、季節の変わり目&急な冷え込みなどにより、
体調を崩す人が増える。
風邪はもちろんのこと、何となく体調が悪いなどの「不定愁訴」も多い。


私が日々の臨床で多くの方の身体を診ていて、
一番感ずるのは、「肝臓」の不調の方が多い、ということだ。


肝臓とはどういう場所か?


あまり解剖学の難しい知識を書いても分かり難いので、
簡単に言うと、「化学工場」である。
脂肪の分解に使われる「胆汁」をつくったり、
エネルギー源の中核を為す、「グリコーゲン」というヤツを造ったり。貯蔵したり。
また、血液中の有毒物を分解して無毒にする、「解毒作用」もある。
免疫の中枢、と言っても良いぐらいだ。
どの臓器も無くてはならないものだが、
日々の体調を維持するのに、非常に重要な臓器である。


「肝臓が調子が悪い」と言うと、
すぐ「アルコールの摂り過ぎ」と考えてしまいがちだが、
それは浴びるように毎日飲んでいる場合だ。
漢方医学(東洋医学」的に見ると、
むしろアルコールよりも「精神的疲労」の方が影響は強いようだ。
まあ、いわゆる「ストレス」。
現代はまさに情報過多。
聞きたくない・見たくないものまで、勝手に自分に飛び込んでくる。
「ストレス」と言っても、特別に嫌なことがあった、ということばかりでなく、
昔に比べると、生活しているだけでストレスが多い社会と言える。


そんなこともあってか、
患者さんの身体を診ていると、
症状の原因は様々なのだが、
大部分は肝臓疲労が見える。
ほぼ、どんな症状でも、共通であると言って良いぐらいだ。
昔の人に比べると、肝臓がかなりフル稼働しているのだろう。

(くれぐれも言っておくが、だからといって「肝臓病」にすぐなる訳ではない。
 実際には、その影響で他の箇所に症状をもたらす事が多い。
 その出方は、その人が元々持っている「弱い箇所」によって異なる。)


自分での対処法は色々あるが、
私が患者さんに勧めている一番の方法は、「内臓アイシング」である。


この事はまた、詳しく述べたいと思うが、
氷嚢などで、肝臓を(右側肋骨下部)冷やすのだ。
野球の選手が登板後に肩を冷やすのと、理屈は同じ。
使いすぎれば熱を帯び、その処理が上手く出来なければ不具合が起きる、
というのは、関節も内臓も同じである。


時間は諸説あるが、15分前後と考えて良い。
「内臓なんて、冷やして良いの??」と考える人も多いと思うが、
「身体全体は暖め、局所は冷やす」というのが、機能維持の基本である。
現代医学的には異論もあろうが、多くの患者さんが、
この方法で体調を維持している。
患者さんが自分の知人に勧めても、なかなか理解してもらえないと嘆いているが。


詳しくはまた機会を設けるつもりである。
最近の施術で、改めて強く感じたので、取り急ぎの情報という事で。