私は基本的に、一人で仕事をしているが、
私の知人や、その道で名の通った人の中には、
スタッフを使ったり、「弟子」のような形態をとる人も多い。


最近、私も多少は面識のあるトレーナー(まあ名の通った人)が、
どういう事情かは詳しくは分からないが、
スタッフが集団でボイコット退職したし、弟子との関係がギクシャクしたり、
それが元で、仕事にも影響が出てしまっているケースを数件、耳にした。
人間関係というのは、“師”と“弟子”の間でも、微妙な問題のようで。


どちらかの意見を聞いても真実は量りかねるし、
人様の事なので、あまり詳しく述べることは避けるが、
いずれにしろ、「人の上に立つ」「弟子を育てる」というのは、実に大変な事だと思う。
私の知人でも、それを立派にやっている人もいるが、本当に頭が下がる。
私のところにも、時折そのような希望を持ってやって来る若者もいるが、
申し訳ないが、丁重にお断りしている。
自分はまだまだ、その器には無い。


「人の上に立つ」、または「人を師とする」ことについて述べられた、
あの有名な徒然草の作者・吉田兼好の言葉を引用してみる。


みだりに人の師となるべからず、又みだりに人を師とすべからず。

真に教える事有りて、人の師となるべし。

真に教わる事有りて、人を師とすべし。




“師”となるのもそうだが、“師”とするのも、
やはりそれ相応の「覚悟」と「責任」が要るようで。