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2016年生まれの姫と2021年生まれの姫を子育て中
最近は…奴の愚痴多し




※死刑囚の最後の瞬間

  文字どおりなので心臓の弱い方や興味本位での読むのは

  止めた方がいいかも。

  それにこの著者は執行人や関係者などに取材をして得た情報を

  忠実に書かれているので・・・読む時も夜とか食事した後とかには

  読まない方がいいかも(笑)

  執行の様子は実際のところ本当かどうかは分かりませんが、

  起こした事件のことも説明してくれているので大変読みやすい。

  それに著者は死刑廃止派ではあるが、読み手をその方向に

  もっていくような情報の書き方はしておらず、

  「ありのまま」を書かれていると思う。

  気持ち悪くならない程度に紹介すると「人間」に戻れた死刑囚の中には、

  最後牧師へ、これから死にゆく自分のために祈るのではなく

  今後自分のような人間を出さない社会になる事を祈ってくれ

  そのお勤めを今後してくれと告げているひともいた。



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※「その日」はいつのひか

  上記と同じ著者が書いた本。

  当時出版した題目と違うみたいだが・・・・。

  ある特定の死刑囚1人のことが書かれている。

  これまた事件のことも加害者家族・被害者家族・友人など

  関わりのある人も多く出ているのでわかりやすい。

  これを出版した時には執行されていなかったため

  「恩赦願いを出しているが・・・・」で終わっている。

  この死刑囚だからだとは思うが、

  その人が「真(まこと)」であれば、

  人間どんな状況下におかれても

  自分が願っている以上のたくさんの助けや救い・友が現れるんだな。

  って思ったのが私の印象。

  その人たちの働きかけにより被害者家族に直接お詫び出来たり

  自分は拘束されて行けなかったが被害者家族の了解を得て

  弁護士や身元請負人や義母・そして死刑囚の友が

  被害者のお墓参りをしているし。

  最後には当時の社民党の委員や政府委員の審議のやり取りと

  その回答をした国務大臣(法務大臣)の言葉も書かれている。

  「執行人の苦悩」「刑場の視察」「終身刑制度について」

  同じような審議は繰り返し起こっていて

  大臣が変わるたびに左右されるのは現代も変わっていないけれど、

  今に始まった事ではない、私が目にも止めていなかった時代から

  問題定義されていた事には安心した。




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※命の灯を消さないで

  これは活字が多くなく、思いっきり死刑廃止を訴えている本。

  当時の105人の死刑囚にアンケートを送り返答されてきたものを

  載せている。

  弁護士と親族しか接見も文通も許されていないが、

  福島みずほ議員が家族や弁護士を介して

  実施されたよう。  

  実際死刑囚リストで検索すると現在収容されている名前が出てくるのだが、

  これが出版されたのが2009年なので2008年くらいまでに

  死刑確定した死刑囚がずらりと並んでいる。

  回答できそうもないオウムの死刑囚や冤罪疑惑の有名な死刑囚は

  弁護人や支援者からの現状の彼らの報告が。

  今月3日に執行された死刑囚2人の回答されたものがあり複雑な気持ち。

  そのうちの一人は私と同い年なので・・・この3日の日は大変ショックで

  動けませんでしたから。

  この日ばかりはオリンピックの明るい報道が憎らしくもありました。

  

  各々の考えの生の声を見れたのはとても貴重で、

  当事者(死刑囚)なのでよく法律を勉強している。

  この勉強しているというのは、あくまでも死刑を逃れるためではなく

  間違った事実で即決された事をなんとかして伝える為なんだなと言うのが

  伝わってくる。

  免田さんのような冤罪であった人もいるわけだから

 、取り調べの可視化

  国選弁護制度(弁護士によって当たり外れがある)、

  被害者家族の参加制度

  公判前整理手続き制度

  恩赦

  検察官・警察官に対する未公開証拠の開示

  終身制度

  などが主かな?

  あとは交通(文通)の制限の軽減化も多いね。


  死刑囚を肯定するつもりもありませんが、

  もともとの悪人なんておらず育った環境なり、あらゆる欲が倍増したり

  気持ちが弱った時に誤った行動をする。

  いわゆる悪魔のささやきにのせられたとでも言いましょうか。

  それにいたった経緯があるのだ。

  中には生きたい気持ちが強くなり償いなど見せない人もいるが

  多くはキリスト教や仏教など宗教に出会い

  こころから反省している人が多い。

  死刑廃止派はそれを生きて償えると訴え、

  死刑肯定派は死ぬ前に人間に戻れて良かったのではと言う。

  もちろんそれを抑えられなかった本人が一番悪いと分かっている。

  ましてや人を殺めているのだから。

  この本の前半後半の統計などは心引かれなかったが

  生の声からは響くものが多かった。

  死刑囚本人たちは死刑廃止よりも、

  自分たちのような人を今後出さないような社会作りを訴えている。

  自分は悪者に違いないが、そこには被害者を筆頭に自分の家族・親戚

  子供までもが被害者となり、世間の風評に負けて

  死刑囚よりも早く自死するケースも少なくない。

  日本はそのフォロー制度も確立されておらず、常に世間や報道から

  見張られているのだ。

  そんなことも訴えていると私は感じた。

  

  確定し20年30年以上執行されていない死刑囚は、「冤罪」を訴えている声が多い。

  事実は分からないが、申立て中に執行されるケースもあるのに

  命令が下されていないという点については

  執行の流れの見直し上にそれを止める何かがあるんだろう。


  死刑囚が過酷で規制に厳しい生活の中で

  書いた絵や詩なども載っています。

  それをみて思い出すのは、

  島秋人や平沢貞通あたりが有名でしたね。

  昔は前日に「お迎え」が来ていましたが、今はそうでないらしい。

  自死した人がいたためだ。

  いつ「お迎え」がくるかわからない緊張した1日1日を過ごしつつ

  こうやって「何かを残す」行為は、

  死を目前とした人間にもかかわらず、私たち外の人間よりも生命力を

  感じるのは私だけだろうか??


  それでもアンケートで一番の辛い事に書かれているのは、

  「いつお迎えが来るかわからないこと(その恐怖)」が多かったように思う。

  実際死刑確定されてもすぐに執行はされない。

  上記の「その日はいつのひか」には、法務大臣に書類がくるまでには

  事件や裁判の見直し等の手続きで最低でも6カ月かかるという。

  脱獄した死刑囚は4か月あまりで執行されたケースもあるようだが・・・

  平均2年半くらいの統計があるようです。

  裁判の申し立てや健康状態なども考慮されているのかもしれませんので

  けっこうそれ以上拘束されているケースが多いですね。

  被害者の事を思えばこの恐怖は比べるにも値しないですという

  補足も書かれてはいるが、この心情こそ私がもっとも知りたい部分である。

 


  この本では色んな人が色んな視点から見ることが出来る本で

  もっともっと色んな事を挙げたいのだが書ききれない。

  こういったアンケートをこの時だけ、この本を出版して終わるのではなく

  出版後この2年でも40人強の多くの死刑確定者が出ており 

  これからも・・・死刑制度がある限り増えるだろう。

  なので継続して世に発信して欲しいと思う。




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  秋葉原事件の2審が9月12日に控えている。

  大きな事件だったので報道はされると思うし

  次の日新聞にも出るんではなかろうか。

  この被告もいつか死刑囚リストに加わるんじゃないかと思うが、

  今まで死刑確定してからの情報収集が主だったが

  2審の時点でも、彼の生い立ちから事件に至るまでの情報があったので見た。

  裁判員制度には反対だったが、色々本を読むことで私みたいな一般人でも

  目をむくようになり、肯定側に行きかけている。


  日本の問題はこれだけではないけれど、

  情報を見ない・知らない日本人として考えるべき問題の一つですね。