大渡海という新しい辞書を作る
そんな辞書作りを描いた「舟を編む」の原作は、
本屋大賞受賞作です。
原作は読んでおりませんが映画も満足できる作品でした。
大きな見せ場があるような映画ではないので、
単調になりがちですが、随所に笑いの要素を盛り込むなど
とてもおもしろい映画でした。

主人公役の松田龍平はじめ役者がとてもよかったですし、
宮崎あおいはやっぱりカワイイです(笑)

少し映画の内容からは逸れますが
映画を観てて思ったのは、このような長いスパンの
プロジェクトはもうこれからは難しいかもな、ということです。
ICTが世界を変えてしまったからです。

大渡海は見出し語24万語ですが、
これは紙媒体という制約がとても大きい。
それに13年で言葉は陳腐化したり新語が増えたり、
今の世界のスピードから置いていかれてしまう。

Wikipediaとはまでいかなくても、
じっくり全体を決めてどこかで完成するものではなく
用例採取した言葉を即座に追加、更新していく。
電子データであれば見出し語数に制限は受けません。
アジャイル的に都度開発、更新していく、
そういうスタイルになっていくのでしょう。
むしろ大渡海の開発は炎上プロジェクトというかデスマーチというか(笑)

それは置いておいて、今後は大渡海のような、
意志を持った作品は生まれづらくなるのかもしれません。

舟を編む/光文社

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