本書は震災前に書かれた本を日本語訳した本であるが、
震災の際に正しい理解ができないままパニックになって
しまった日本人にとって必要なことが書かれている。

比較的平易に書かれてはいるが、
学術的・技術的な部分はやや難しいかもしれないが、
結論は分かりやすく提示されている。
少なくとも20msvが馬鹿らしい数字であることは分かるだろう。
放射能、放射線に対する正しい理解が進むことを期待する。

と同時に、しかしながら、本書は震災前の「絶対安全」に近い主張がなされていることに気づくだろう。
震災において福島の原発はその制御機能の一部を失った。
これもカイゼン可能であると最終章の日本版の追記で主張するが、
果たしてそれで日本国民は納得できるのだろうか。

本書は温暖化対策の切り札としての原発を推進する立場である。
少なくとも原発を止め火力でという無責任発言よりは、
私は本書の著者の主張に賛同する。

放射能と理性 なぜ「100ミリシーベルト」なのか/ウェード・アリソン

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