スクレイピー病、狂牛病、ヤコブ病・・・。
これらは種にまたがる同じ病気だ。
伝達性スポンジ性脳症。
原因不明のこの病に人類は一つの仮説を立てた。

原因はタンパク質である。

始めは批判を浴びたこの仮説=プリオン説も、
徐々に知見が集まるにつれ支持者が増えていく。
そして発案者であるプルシナーは1994年にノーベル賞を受賞する。

本書はこの仮説に異を唱えるある種挑発的な内容だ。
プリオンかウイルスか?
果たして真実はどこにあるのか?

心配なのは本書を読んだ人が勘違いをしないか、だ。
プリオン説は誤りとは言えない。
というよりも一つの説にすぎない。
ウイルス説も同様なのだ。

どちらかの仮説に基づきメカニズムが完璧に解明されるまで、
どちらの説も仮説の域を出ない。
著者はプリオン説の問題点を指摘するが、
「ウイルス」が見つからない以上、
ウイルス説は極めて立場が弱いことも読者は忘れてはならない。

本書も「生物と無生物のあいだ」同様、
人類が真理に迫るまでの人間物語に魅せられる。

プリオン説はほんとうか? (ブルーバックス)/福岡 伸一

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