歌手の由紀さおりさん(62)がアメリカの人気ジャズ・オーケストラ
「ピンク・マルティーニ」と組んだアルバムが、世界22か国で順次売り
出され、人気を集めている。デビュー当時の日本の歌謡曲を日本語で歌っ
ているのに、アメリカやカナダのチャートでも1位になったのだ。
ピンク・マルティーニはオレゴン州のポートランドに拠点を置く12人編成
のオケ。リーダーのトーマス・ローダーデイルは日本にホームステイ経験も
ある親日家。2007年の自身のアルバムで由紀の「タ・ヤ・タン」(69年)
をカバーした。ライブのためにピンク・マルティーニを招請。由紀がそのラ
イブに出演した縁でアルバム制作の話が生まれた。由紀とトーマスが候補
を持ち寄り、「ブルー・ライト・ヨコハマ」(オリジナルはいしだあゆみ)、
「パフ」(ピーター・ポール&マリー)、「いいじゃないの幸せならば」(佐良
直美)、「夕月」(黛ジュン)、「夜明けのスキャット」など12曲に絞った。
「あたしたちも知らないような日本の曲をトーマスは知ってる。しかもメロ
ディーの美しさを最優先して選んできた。レコーディングは「電子楽器の打
ち込みも、音の切り貼りもしない昔風の方法。久々に新鮮な気持ちのレコー
ディングでした」 42年ぶりの「夜明けのスキャット」は当時と同じキーで歌
った。「今の自分がどこまで歌えるか、きちっと自分にも皆さんにもお聴か
せしたかった。そしたらベーシストが『音程が正確だなあ。気持ちがいい』
って言ってくれました」 アルバムは1曲を除き、すべて日本語。外国曲に
も日本語の歌詞をつけ、海外でもそのまま発売される。「すごいですよね、
日本語の歌謡曲がそのまま世界発売なんて」と、由紀はひとごとのように
いう。 ピンク・マルティーニは世界ツアー中で、由紀はその一部に出演す
る。12月13、14日はニューヨークのタウン・ホールだ。