オムロン「2023年度の純利益98%減」で社長が示唆した懸念 「顧客起点が薄まっている」との気になる発言(東洋経済オンライン)  

 

 

 

 商売とは実に恐ろしいものである。何せ明日のことは誰にも分からないからだ。全ては予測で動くから。そして、その予測はこれまでの経験で決める。
 
 右肩上がりの経済成長を遂げてきた経験で決めるのだ。そこに確かな根拠はない。何故なら、全ては他力本願なのだから。
 
 一時的に下方修正しても、リストラをやればまた元に戻れる。単に昨年はツキがなかっただけで今年は大丈夫だと思い込むしかない。だって他力本願だから。
 
 よくぞ、ここまで続いて来たと感心する。そして、もはや他力本懐は通用しなくなりつつある。だから、価格を上げるという自力回復に走るのです。
 
 もちろん、それには限界がある。経済指標だけ見ていては先のこと分かりません。大事なのは、その経済指標を作る環境だと思います。要はモノの作り手ではなく、買い手の動向です。
 
 市場の成熟と人口減少という経済衰退のダブルパンチが今後本格化することになるのです。右肩上がりの経済しか頭にない人にこの危機を乗り越えることは出来ないと思います。
 
 これから追いつめられる事業者は生き残りを掛けてリストラに明け暮れることになるでしょう。それが三つ目のダメ押しの経済衰退を後押しする力となる。
 
 この流れに完全に入ってしまうともう止められないと思います。株価最高値に沸く経済界ですが、それを支える市場は既に冷めている異様なバブルとなっている。
 
 そして、企業の業績が本格的に悪化し始めた時、株バブルは音を立てて壊れていく。それは多くのお金が消えていくという事。まあ、市場からは既に消えてはいるのですが、現実的に消えていくという事です。
 
 それが何を意味するのかを人々が気づけば世界を変わるキッカケになるのですが、平成バブルと同様に捉えるのならばそれは叶わないかもしれません。