メディア完全黙秘の中古車販売「ビッグモーター」マジメに答えたら産経新聞に追撃された過去!元経済誌編集長が語る「記者との正しい向き合い方」(みんかぶマガジン)  

 

 

>こんなことをしなくても業績を伸ばせるはずだが

 

 そうではなく、そこまでしないと業績が上げられないという事なのです。何でそう捉えないのでしょうね。他にあればやっているハズ。こんな不正を良いと思っている人間は居ない。

 

 不正とは苦肉の策なのです。つまり、そこまで追い込まれていたということでもある。2016年当時は、日本はデフレ不況が進行中であり、物が売れない時代だった。

 

 何とか、スマホ関連が成長していたので、明るい材料となってはいたけど。経済は崩壊間近という状況だったのです。

 

 その瀕死の状態を活性化すべく新型コロナパンデミックが起こったわけで、これがカンフル剤となって、デフレから一気に劇的インフレと押し上げることが出来た。

 

 しかし、物が売れない時代は何ら変わっていない。人口減少に加えて市場の成熟が、消費量を毎年下げ続ける状況は、コロナ前からむしろ進行していると言えるでしょう。

 

 このような不正は恐らく氷山の一角であり、その不正が社員の生活を支えていれば内部告発は起こらないという理由から、近年は、内部告発が激減しているわけです。

 

 特に大企業にその傾向が強いと思われます。大企業はマスコミのスポンサーであることが多いので、マスコミも極力その不正を自ら進んで暴こうとはしない。

 

 だから、企業側からの記者会見で不正が明らかになることだけは、それが免罪符となって正義面してここぞとばかりにマスコミの正当性をアピールするわけです。

 

 特に、自動車業界は建設業界や金融業界と違って政府が保護しづらいのです。建設業界は日銀がREATを買えば価格を維持することが出来るし、株価は投資信託を使えばどうにでもなる。

 

 そうやって見た目を誤魔化すことが出来ますが、自動車業界は補助金を出すことしか出来ず、直接車を買うことが出来ないので、誤魔化せないのです。

 

 後は、不動産業界と同じように自動車業界でもカルテルを組んで、販売価格を高くすることだけで、販売数の減少をカバーすることしか出来ないのです。

 

 しかし、それは地獄への階段を降りることであり、単価アップは更なる販売数減少を引き起こす。このいたちごっこが限界に来れば全てが壊れるという事になるのです。

 

 物事を善悪で見るのは実に危険であり、むしろ、善悪で見させることで、そこにある真実を隠そうとする思惑があることに気づくべきだと思います。

 

 資本主義に於いては、買い手を如何に騙すかが勝負であり、上手く騙せればたくさんの収益が得られるという風になっていることを忘れてはいけません。

 

 買い手を騙すことを企業努力と今は呼んでいるわけです。そして、自社製品を一円でも高く売るために、なりふり構わず行動している様は、資本主義の崩壊が近いという事でもあるのです。