迫られる「学び直し」 政府が旗振り、浸透には課題【けいざい百景】:時事ドットコム 

 

 

 政府が旗を振る時は危険の証・・・というのを常識にしたいですね。

 

 学ぶことで生産性を向上させる。素晴らしい事に見えると思いますが、そこには大きな落とし穴があるのです。

 

 それは何かと言えば、生産性という言葉に罠が隠れている。ここで使われている生産性とは、端的に言えば給与が上がることです。それは、今までの仕事しか出来ない人が20の仕事をすれば、単純に倍の収入になるという間違った認識にあります。

 

 勤めた経験のある人なら誰も出分かると思いますが、その10の仕事と同じ時間で20の仕事をこなしても給与は増えません。何故なら、多くの場合、仕事量ではなく労働時間で収入が決まるからです。

 

 今はどうか分かりませんが、昔は定時時間帯はゆっくり仕事をして、残業時間を確保するという行為が横行していたわけです。後は努力して出世すればと思うでしょうが。

 

 大企業はともかく、中小零細企業の場合、例えば、管理職になると残業が付かないと言ったことで、出世することで給与が減るという事もあるのではないかと思います。

 

 日本人の認識は非常に低く、常に仕事内容よりもどれくらい残業したかで評価されて来たのではないかと思います。だから、本当にやる気のある社員は嫌気がさすわけです。

 

 そういう実情はすっ飛ばして、官僚による机上の空論で政府は動くわけで、そういう中で政府の言う通り動いていると酷い目に遭うのは当然のことではないかと思います。

 

 資本主義に於いては、金儲けの基本に効率化というモノがあります。効率を追求して出来るだけコストダウンを図ることで利益を上げるという考えです。

 

 まあ、コストダウンというのは、人件費を抑えるという事であり、一人が20の仕事をこなせれば、人員は半分で済み大きなコストダウンになる訳ですが、失業者が増えるという事になる。

 

 つまり、学び直しというのは、最終的に自分の首を絞めることになるということです。もちろん、それに依って企業は潤う事でしょう。企業のコストダウンは競争力を強くし、それは国力を強くすることに通じる。

 

 しかし、それに依って国民はボロボロになるまで働かせられ、病気になり早死にすることになるでしょう。

 

 今日、国家が最も頭を痛めているのは何と言っても確実に破綻する年金問題です。年金は、国民を国家に縛るロープの様なものであり、これが破綻すると国家が崩壊するので、あの手この手で阻止しようとしているのです。

 

 その最良の策は、払う相手を減らすこと。無理な労働をさせて長生きを阻止すれば、支払いが減り余裕が出るわけです。そして、病人が増えれば医療産業が活況となり、健康保険を有する国家の存在価値が高まる。

 

 学び直しという政策で、色んなリターンがあるのです。

 

 そして、学び直しで国民が得られるリターンは殆どない。むしろ、有るのは苦しみだけと言えるでしょう。極悪非道の詐欺ではないかと思います。

 

 幼い頃より、学校で学ぶことの大切さを叩き込まれた日本人は、学ぶことのリスクは全く知らない。学びには百害あって一利なしという隠れた真実を誰も知らないのです。

 

 学ぶことで賢くはならない。学ぶことで自信は持てない。学ぶことで夢見ることは出来なくなる。学ぶことで不安が大きくなる。学ぶことで盗むことに抵抗がなくなる等ですが・・・・

 

 やはり、最も害悪なのが、学ぶことで自分を見失う。それは、人間にとって最も大事な、自分の人生を奪われてしまうという事なのです。

 

 政府の発する甘い言葉にはくれぐれも用心してい下さい。