「緩和ケアを勧められたけど」という記事
なお、記事に掲載されている方は何も間違っていません。
大変な状況をいくつも越えてこられ、記事中にあるように「患者は受け身ではダメ」と気づかれたとのことで素晴らしいと思います。
緩和ケアの取り扱いについては、よく調べているメディアは最近は注釈をつけてくれるようになっています。
つまり、手の施しようがなくなったので「緩和ケアを勧められたけど」という表現だけでは不十分だということです。
Yahooでもコメントしましたので転記します。
このような時に(※がんがかなり進行した時)、終末期となり症状緩和の治療のみを行うという意味合いで「緩和ケアを勧められた」という表現がしばしば出てきますが、これは必ずしも正しくないので注意が必要です。
緩和ケアは終末期のみに限定されるものではなく、現在は国も「がんと診断されたときからの」緩和ケアをうたっており、がん治療と並行して緩和ケアを行うことが推奨されています。
病気に対する治療が乏しくあるいはなくなってから緩和ケアを勧められるのは遅いということです。
最近は、記事によって注釈でそれを付記してくれている場合があり、末期の治療イコール緩和ケアと間違えられることを防ぐ配慮が為されています。そのような諸配慮と周知が進み、治療の手立てが少なくなって初めて緩和ケアが勧められるということが減ることを願います。
緩和ケアは末期になってから、治療が効かなくなってから、症状が出てから
その時になって「緩和ケアを勧められた」(のでは遅い)
末期・治療終了、あるいは全身状態がかなり厳しくなったところで緩和ケアを初めて勧められる、これはいまの考えでは適切とは言い難いので、少なくともメディアは、記事に注釈をつけてほしいと思います。
また医療者でも、最新の緩和ケアのことをあまり知悉していない場合においては、このような時期になっての、緩和ケアしかできないという意味で「緩和ケアを勧める」という事例があるのは残念ながら事実ですが、記事にあるように「受け身にならない」ことで受診のタイミングを逃すということを防いでくれるでしょう(ここのブログをご覧になっているのも能動的な証と思います)。
そもそも国自体が「がんと診断された時からの緩和ケア」を推進しているのですから、医療者は本当は誰もが知っていてほしいものでもあるのです。
早期からの緩和ケアの大切さは研究でも示されていますし、もっとこの情報が伝われば良いと願います。
周囲に「緩和ケアは終末期」と思っている方がいたらぜひ教えてあげて下さい。
