「もっと他のがんに使えるような……普通の抗がん剤とは違った薬、なんで私のがんには使えないんでしょうか?」
子宮がんもそのような疑問を時に伺う腫瘍です。
アバスチン以外めぼしい分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬が適用となっていません<ただし今年6月米国食品医薬品局(FDA)がPD-L1発現陽性の、”化学療法施行中あるいは施行後に増悪した再発・転移性子宮頸がん”の治療薬としてペンブロリズマブ(商品名キイトルーダ)を承認しており、日本でも使用可能となってくることが予測されています>。
また進行子宮がんはリンパ浮腫を来します。
腫瘍により足からのリンパの流れが妨げられ、足がむくみます。
昔は両下肢が巨大になって動けなくなってしまう事例もありましたね。
また、10年位前は利尿剤が使われたりもしましたが、今の理解では当然ですが、効きません。
もちろん低アルブミン血症を合併しているようなケースでは、利尿剤もある程度効きます。
このような点は、緩和ケア的なしっかりとしたアセスメント・見極めが必要なところです。
むくみ→利尿剤
でも
むくみ→リンパ浮腫
でもありません。そのような機械的な判断は良くありません。
「血栓がありました」、「下大静脈の狭窄がありました」等と、別の原因が見つかるようなことがあります。
リンパ浮腫に奏効するのはリンパドレナージと弾性ストッキング(←リンパレッツさん)です。
なお、リンパドレナージ「ュ」には美容目的なものが含まれますので、最初は病院や医院でリンパドレナージの施行・指導を受けることが望ましいです。
リンパドレナージも、感染症による急性炎症や心性浮腫・心不全、そして下肢静脈の急性疾患(深部静脈血栓症、急性静脈炎等)は禁忌(やってはいけない)なのです。
いつもお伝えしていますが、「見立て」が肝要です。見立てにこそ、力量があらわれるのです。
そのような子宮がんの緩和ケアについて下記でまとめました。
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子宮がんの緩和ケア・末期子宮癌の緩和ケア(子宮頸癌・子宮体癌・子宮頚癌)
ひとくちに緩和ケアといっても、アセスメントから治療まで実に広範な知識が必要です。
特に早期緩和ケアでは抗がん剤治療についての理解や副作用対策も必要ですので、さらに広くなります。単なる症状緩和の倍以上の知識量が必要でしょう。
また本当の緩和ケアの専門家は身体だけを見ていません。
心や気持ちの問題や社会的な要素、生きがいの問題や、ACP(アドバンスケアプランニング)から療養場所の調整まで、やることや求められることは多いのです。
日々勉強です。
そしていつしか、「対策がないんですね……」と言われることがなくなると良いですね。
動画でも解説しています。
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