漫画 俺スキ魔

私はポッチ。これっポッチのポッチ。もちろんあだ名です。
その私の部屋に変な物がいた。
窓の戸とサッシの隙間に挟まっているチビサタンみたいな奴。


頭に三角の角が左右にあって背中にコウモリみたいに羽がついている。
尻尾には三角の矢印のような槍がついてる。
まるで漫画のチビサタン
「あなた、チビサタンなの」
「チビとは何だ、それにサタンじゃない、スキ魔だ」
「スキマ ? それで窓の隙間にいるの」
「そんなんじゃない、入ろうとしたら羽がつっかえたんだ。そんなときにお前が見つけたのだよ」
「へえ、それでそのスキマがなにしにきたの」
「何しに来たって、お前が呼んだのだろう」
「私が呼んだの」
「そうだよ、お前、昨日バスの中で、エンジェルさんお願いって思っただろう。だから来たのに」


「私が呼んだのは、エンジェルなのに」
「エンジェル様は忙しくてあんたの所にまでこれないの、それで俺が行かされたんだよ」

「あんたがエンジェルの代わりなの」
「そう、バスで見ていた彼奴と仲良くなれたらと思ったのだろう。彼奴とあんたとだと釣り合いがとれねぇだろう」
「そうね、太司さんはイケメンで背が高くて、スポーツ万能なのに、勉強もできるから、私とはね」
「そう、あんたはチビで運動音痴で勉強はダメ、といいとこないでしょう」
「そこまではっきり言わなくても」
「いずれにしても、君には僕がにあっているみたいで、エンジェル様に面倒見ろと言われてきたの」
「ふうん、で、なんとかしてくれるの」
「もちろん、但し僕の言うとおりにするのだよ」
「太司さんと仲良くなれるのなら」
太司さんの名前が出て、つい変な物と契約してしまった。

学校の帰りに空を見ると、今にも降りそうな雲行きだった。
家まで降らないかしらと思って急いでいたら、ポツリポツリと降ってきてしまった。
「ああ、あんたが傘持って行くなと言うから持ってこなかったけど、濡れちゃうじゃないの」
「あの木の下で雨宿りすればいいだ」


「あんな木じゃ濡れちゃうよ」と言いながら校庭の隅にある大きな木の下で雨宿りすることにした。
雨は段々強くなってくる。
周りに誰もいなくなって、暗くなってきて心細くなってきた。

「傘ないの」
突然後ろから声を掛けられた。
振り向くと太司君がいた。
「はい」とだけが言うのがやっとだった。
「雨、強くなってきそうだからここじゃ濡れちゃうよ、これあげるから」と言って傘を差しだしてきた。
「でも、それじゃ貴方が濡れるから」
「走っていけば大丈夫だよ」
「でも、悪いから」と首を振ってしまった。
傘、借りたなら後で返しに行けるのにとか考えたけど、やっぱり太司君が濡れるのはイヤだと思ったのです。
「困ったな」と太司さんが傘を出したまま、固まってしまった。
どうすんの、チャンスなのに好き魔なんとかしろと心で念じていたのです。
「じゃ、イヤでなければ一緒に入っていきませんか」
ええっと言う展開。
太司さんと相合い傘なんて噂になったら、本当は嬉しいけど。
「はい」俯いて真っ赤な顔で太司君と一緒に相合い傘で家に帰りました。

もちろん、翌日には学校中の女子には知れ渡りました。
その日以来、太司君と私は付き合い始めたのです。
今でも、仲いいですよ。
あれからズッと、もしかしたら、これからもズッと。
太司君の友達から聞いたことがあるのです。
「太司にさ、どうして君と付き合う気持ちになったのか聞いたら、君が、一人、ポツンと雨宿りしているのが寂しそうに見えたんだって」
「そんな風に見えたんだ」
「それでさ、彼奴、いつもだと、傘貸してやって終わりだったのに君がイヤだと言ったのにスッゴく驚いたそうだ」
「そうなの、みんなは傘貸してもらっていたの」
「うん、いつもだと太司は傘貸してあげて終わるのだけど、俺が濡れるからイヤだと言われてどうして良いか分からなくなったみたいなんだ」
「そうなんだ、困らせたんだ」
「そのままにしておけないし、困って一緒に帰ろうかと言ったみたいだよ」
「他の女の人は傘借りていたんだ」
「そう、他の子と違ったみたいで、なんだか好きになったみたいと言ってたよ。だけど、君には悪いけど、他に一杯可愛い子とか、綺麗な子いたのにだろうと言ったら、魔が差したのだよと言って、笑っていたよ」


 

 

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