朝は所々に前夜の雪が残っていた。


そんな週末、かっちゃんの通っている保育園で発表会があった。
園児が歌を歌ったり劇をしたよ。
かっちゃんの出番の劇が始まった。
すぐにかっちゃんのセリフの番がきたよ。
セリフを言う為ステージの前に出るかっちゃん。
しかしモジモジして喋る様子がない。
あがってしまったのだろうか?
そのままの状態で10秒経過。
20秒。
30秒。
ざわつく客席。
相変わらずステージでモジモジしているかっちゃん。
1分経過。
これはもう事故だ。
オイラはいやな汗が出てきたよ。
他の園児がかっちゃんに近づきセリフを教えるも相変わらずの沈黙。
1分30秒。
2分。
やはり全く喋る様子はない。
ステージ袖の先生もじっとしていて打つ手がない様子だった。
かっちゃがセリフを言わないと劇が進まないのだ。
客席全員の視線がかっちゃんに注がれていた。
2分30秒。
3分。
過ぎていく時間。
もうダメだと諦めていたその時、かっちゃんがついにセリフを発した。
「泣いてちゃわからないよ。」
同時に客席から歓声と拍手が響き渡った。
オイラは膝から崩れ落ちそうになった。
その後劇は何事もなかったようにすすんだ。
かっちゃんもケロッとしていた。
次からのセリフは大きな声でスムーズに発していた。
かっちゃんがセリフを言うたび
歓声と拍手が聞こえた。
色んな意味で目の離せない発表会だった。
そして、注目を浴びたかっちゃん。
かっちゃんは練習の時からいつも少し間をあけてセリフを言っていたらしいけど、
3分は長過ぎた。
発表会終了後
何事もなかったかのような振る舞いをみせる
いつものかっちゃんがいた。

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