ついに病院側に放置されてしまったわけだ。用がないならさっさと出て行け、と言わんばかりである。何でも年末年始は入院する患者さんが多いそうで、病院としても早い段階でベッドを開けておきたい、のだそうだ。振り回されっぱなし、とはこのことだ。横座りのままのオレの思考が動き始めると、ある約束を思い出した。友人代表3号が車でお迎えに来てくれるのである。ハッキリした退院時間が判らなかったので連絡できずにいたが、急いで連絡しなければならない。で、足確保。入院時は歩いてきたが、大荷物と雨降りと体力および体重の激減と傘すら持っていないという状況では、お世話にならざるを得ない。これまた、とてもとてもありがたいことだ。感謝のキワミである。




連絡したことをきっかけに正気の戻ったオレは帰ることにした。当たり前だ。そこでまずは同病室の方々にご挨拶。当然ながら再会を約束したりはしない。で大荷物を抱え、ヨロヨロと廊下を歩きナースセンターでご挨拶。看護師さんたちはほとんどおらず、放置状態を再確認。喫煙スペースでタバコを吸いながら時間を調節していると3号が到着。帰る道すがらの話の中で、膵炎という病気は致死率が50%(症状による)もある、と聞かされる。病気の詳細を知らないオレは「ハア、ソーデスカ」と答えるのみ。しかし、ひとつハッキリ判ったことがある。それは






皆さん、心配してくれていたのだ。


ということだ。ありがたいことである。何度もお礼を言って13日ぶりの自宅へ。朝から降っていた冷たい雨は止み、気温は低いが薄日が差してきた。これなら洗濯ができそうだ。部屋の中は当然だが入院前と変わりない。荷物を降ろしてテレビをつけるといつものようにタモリが司会のテレビ番組が映し出された。オレはテレビの音を消し、思いつく今回お世話になったすべての人たちに連絡すべく端末を手に取った。




神、空にしろしめし、

なべて世は、こともなし。