退院当日になってもまだ点滴を打たれているわけで、病院というところは本当に最後の最後まで何があるか判らない。だいたい敵は国家資格取得者ばかりなので、油断してはいけないのだ。そのことをすっかり忘れていた。ベッドの上で横座りになったままオレは、「家に着くまで、初めて会ったヒトの言うことは信じない」と肝に銘じた。点滴が終わり次に待っていたのは放置だった。看護師さんが点滴一式を撤収した後は誰も来ない。あれほど検温だ血圧測定だ採血だベッド掃除だシーツの交換だと出入りのあったのに、誰も来ない。心配になったオレは「何かしてください」とナースコールしそうになったが、何とか我慢した。我慢したままこの日の朝一番のことを思い返していた。なんと
目覚まし採血だったのだ。
ハナシが前後して申し訳ないが、とてもステキなことなので、ぜひとも報告しなければならない。先日のこと、ドクター曰く「最終日の朝一番に採血をして、その結果がよければ退院にしましょう」ということだった。そうだ、最後まで何があるか判らないということは、この時点で告げられていたのだ。まあその採血というのは、退院のための最後の確認ということで、今までの経過から見ても良くない数値が出ることはありえない、という前提があったのだが。それにしてもこんなスケジュールを組まれると、こちらの都合がつかない。目論見どおり数値は良好で無事に退院の準備を進めているが、万が一そうでなかったらどうするつもりだったというのだろう。