オレが入院するのは2度目で7年前のことだった。酒から肝臓という黄金リレーでお世話になったのだが、当時の担当医が今は部長職に就いておられる。若いが有能そうなドクターで「次に飲んだら必ず死にますよ」と、諭していただいたものだ。今回は酒から膵臓という陰の黄金リレーで、健常者になじみはないが致死率50%(病状による)というオマケがついた。今回のドクターも若く無駄口を叩かず迅速な判断を下していく。有能で出世中なのだろう。そうやって月日は流れていく。病院自体も7年前は病棟内に喫煙スペースがあったり、日中は看護婦さんが「天気のいい日はカーテンを開けて日光を浴びましょう」ってなコトを言ったりしていた。タバコは判るが相部屋でのカーテン閉めっぱなしというのは、プライヴァシーを重視するようになった結果なのだろう。以前には体中に刺青の入ったジジイが、自分の病気自慢を一日中していて閉口させられたが、今では考えられないことである。他には入退館のセキュリティがべらぼうに厳しくなった。今では夜8時から朝7時は一切出入り禁止である。モチロン急患は除く。以前と変わらないものもある。この病室の窓は東向きで壁全面の掃き出し窓で、天気のいい日の朝にはいつも荘厳な日の出が見える。今回もそうだった。で11月19日当時、日課になっていたのが朝7時までには起きて朝一番の日光を浴び一服するということだった。朝晩の冷え込みが厳しくなる中、病棟から出て陽だまりで震えながらタバコを吸うという、どこまでもアホなことを日課にしていたのだ。早朝寝起き採血のおかげかもしれない。すべて二度とゴメンだ。



主治医からは今週末にも退院という内示があった。食事の全粥などズズズッとイッキにすすり飲んでしまう。便通も復活した。前途は明るい。そして、さらに明るい事件が起こった。




点滴がすべてはずされたのだ。





両手24時間から片手になり、これで晴れて24時間の点滴はなくなった。もう寝返りし放題である。院内を闊歩するのも大手を振って歩けるというものだ。便通時に狭い個室に入って点滴台をガンガンと壁にぶつけることもないのだ。シャツの袖を手首まで伸ばして着ることもできる。やはり両手が自由になるというのは素晴らしい。ただし両手ともに青、赤、紫とサイケデリックな色に染まっているが。