2泊3日の保護期間を終えて兄宅から帰ってきたのは、9日の夜だ

った。実際、非常に世話になった。この先、まだ迷惑をかけることに

なるとは、この時点では判らない。オレは明日に備えて準備をした。

兄宅に行くとき、もしやの事態に備えて泊まれる準備をしてあったの

だが、その補充をし、朝一番から総合病院へ診察を受けに行くため、

早めの就寝。腹痛はさらに穏やかになり、自分で主導権を握ったつ

もりでいた。明日の作戦は「キッチリ検査を受けて、どこが悪いかを

シッカリ聞いて、それを自分で治すための方法を聞いて実践する」

ってこと。金も仕事も無いのに入院なんぞしてられる訳がないのだ。



そして11月10日。早朝から意気揚々と目を覚まし通院に備える。

各種検査の結果をクリアに出すため、あえて朝食は摂らないという

殊勝かつポジティブな姿勢で荷物をもって家をでる。電車に乗って

シャトルバスに乗って8時受付開始時間に到着すると、すでに多く

の患者が待っている。手続きを済ませ9時診察開始、順番待ちで

10時10時半と時間が経ち、空腹を感じている自分に驚く。「これ

は絶好調じゃないか」と。やはり人間は食って動いてが基本だ、

などと浮かれつつ、辛抱強く待つ。やがて診察室に呼ばれドクター

と対面。症状を告げるも暖簾に腕押しな反応。触診は飛び上がる

ほど痛い。採血と検尿を言い渡され退出。検査結果が出たら再度

呼ばれることになる。結果待ちの気が遠くなるような時間にも空腹

が襲ってき、今日は診察が終わったらまずは腹ごしらえをしようと

企みつつ、14時頃だったか再度診察室に呼ばれる。ドクターは

一人で検査の数値を睨みながら「良くないな」などとおっしゃる。

こちらは回復基調にあるつもりで「なにをおっしゃるウサギさん」

などと言いたい気分の中、レントゲンを採ることに。このために今日

は食事をしてないのだ、とわが意を得たりな気分でレントゲン室に

行き、とっとと済ませる。現像が終わるが早いかスグに診察室に

呼ばれると深刻な顔つきのドクターはオレの顔をろくに見もせず、

「点滴しときましょか」などという。「なんだこの対応は」と思いつつ

も、点滴が終われば今後のお話を聞いて今日は終了だなと安堵。



点滴待ちでベッドに寝っ転がっていると、看護師さんがブルーな

顔つきでドクターと話している。「えっ、持続点滴ですか?」「そう、

持続」と聞こえる。ベッドに放置か? と思った頃に看護師さんが

哀れみの表情でやってきて、何気に「はい、チクッとしますよ」と

いつもと変わらぬ点滴の常套フレーズを口にすると、まさに刺す

ような痛みがビビビッと走った。看護師さんの申し訳なさそうな顔

は「ごめんね、これはドクターの指示だから。でも本当に酷いこと

になるのはこれからよ、かわいそうに」と告げていた。オレは訳も

判らず「何なんだこれは」と、自分のペースが大きく乱れつつある

のを感じていた。そしてまさかの大ドンデンが、一気に始まった。