うちがわに
水のように静かな場所がある
瞬間的な
感情の発露はいくらでも起こる
自転車にあやうくぶつかりそうになったとき
驚きと恐怖
遅れて怒りがやってきて
開いた空間に放たれる
(たとえば相手は
先の方で転ぶなりヤクザに因縁をつけられるなりして
ボコボコになってて
平謝りにあやまって
私は妄想のなかで「いいよ、許す」というかもしれない。)
しかしそれでも
澄んで静かな水は変わらずそこにあり
冷たく
私を冷やしてくれる
明晰さにつなぎとめてくれる
あかるく
とうめいな場所が
いつも
いつも
ここにある
(感謝をこめて)