プロのライブへ出かけた。

私の尊敬するピアニストのライブだ。

何度聞いても、素晴らしい。

音が丸いし、小さい音でもよく響く。

大きい音でもうるさくない。

ノリは、半拍くらい後ろになるくらい、レイドバックが効いている。

 

ライブ終了後に、運よくいろいろ話をすることができた。

 

音がとても丸いですが、意識しているんですか?

音が丸いのは、よくサウンドさせるため。

丸いというより、音を寝かせる、という感覚。

音を寝かせれば、周りの楽器によく音が溶ける。

サウンドさせることが大事だ。

逆に、音を立たせれば、サウンドしにくい尖った感じになる。

どちらがいい、という訳でもない。

チックコリアなんかは、音を立たせてもカッコいい。

寝かせるか立たせるかは、好き嫌いの問題だ。

 

寝かせれば確かにサウンドするが、逆に音が通らなくなるのでは?

いろんな楽器が一度に音を出すから、音が通らなくなる。

他の楽器とずらして、音を出せば、寝かせた音でも、音が通る。

 

ずらして音を出すって?

拍の頭は、ベースもドラムも音をだす。

だからそこは避けるんだ。

 

え?

拍の裏を強く意識すると、拍の頭を避けることができる。

拍の裏を基準にして、イーブンで八分音符を弾けば、必然的に頭は、拍の頭から遅れる。

拍の裏は、ジャズだと3連符の3つ目だ。

1拍を100%として、3分割した66%の所が裏になる。

それを基準にイーブンで弾く表の位置は、66%引く50%で、16%の位置だ。

この表の16%分の遅れが、他の楽器とずれることになり、すなわち、レイドバックになる。

この位置で、八分音符の表と裏を弾けば、小さい音でも、音が通る。

だって、誰も音を出してない位置だから。

さらにベースやドラムは、0%の位置で音を出しやすくなる。

そうすれば、それらの音をアドリブに取り込むことができ、一体感がでる。

 

もう少し、大きな単位で考えれば、2拍目と4拍目は、避けることだ。

2拍目と4拍目は、ハイハットが刻んでいるから。

そこを避けて引けば、ドラマーが、2拍目と4拍目のハイハットの刻みを入れやすくなる。

その刻みも、自分のアドリブに取り込むつもりで弾けば、ドラムとの一体感がでる。

 

もっと大きな単位で考えれば、モチーフの間で、1小節くらい、弾かないことだ。

そうすれば、ドラムやベースがそこの空間に入りやすくなる。

そこに入ったドラムとベースをアドリブに取り込めば、さらに、一体感がでる。

 

このように、他の楽器に、音を出させるスペースを作ってあげる事を意識している。

そうすれば自分の音はそれ以外で出すことができて、一体感がでて、寝かせた音でも、通るんだ。

 

理屈は判りますが、はたして実際にできるかどうか?

確かに、これは理屈でやるもんじゃない。

でも意識していれば、いつか身についてくるものだ。

 

プロが考えてることは奥が深いし、学ぶことがいっぱいだ。