ここにいたのか、と哲郎が現れた。
連太郎は少し苦い顔をしつつ、
よお、とすぐに笑顔で言葉を返した。
こんなところで遊んでいやがった!
哲郎は連太郎に豪快に笑ってみせた後、
やや真剣な面持ちで本題に入った。
またあの男が動き出したようだ、と哲郎。
あの男って誰だよ、と連太郎。
ほらアイツだ、と哲郎。
だからどこの誰なんだよ、と連太郎。
二人のやり取りを見守っていたナオミが、
沈黙を保てなくなってつい、回答を用意した。
ひょっとしてそれってギイのこと?
彼女は二人を合点させた。
1962年10月。この年のこの月、
世に言うキューバ危機が勃発することになる。