しばらく膠着状態が続いた。
ギイの軍勢は城塞から出ることはなく、
哲郎たちも静観していた。

正直にいえば、
哲郎たちはうかつに拙攻するよりは、
じっくりと機を窺うという構えだった。

哲郎と連太郎はある日、
ナオミに城塞の中の遠視を指示した。
遠視は、仲間内でナオミが最も得意としていたのだが、
まだ若いナオミの起用をマチ子が反対していた。

哲郎はマチ子の反対を押し切って、
最年少のナオミを参加させることにした。

城塞の外部には中々スキが見当たらないため、
内部の状況を探索しつつ同時に工作できないか、
哲郎は画策していた。

ナオミは遠視を始めた。
すぐ隣で連太郎が少し心配そうにしている。