40代以上の女性が主人公/大切な脇役で登場する映画100本。 -3ページ目

40代以上の女性が主人公/大切な脇役で登場する映画100本。

人生後半戦、ロールモデルを探して42歳の女が映画を観る。その記録、もしくは同じく悩める方のためのインデックス。

愛する人 [DVD]/ナオミ・ワッツ,アネット・ベニング,ケリー・ワシントン

¥4,104
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監督 ロドリゴ・ガルシア
出演者  アネット・ベニング(当時51歳/配役:カレン)
    ナオミ・ワッツ(当時40歳/配役:エリザベス)


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<ストーリー>
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カレンは14歳のときにエリザベスを出産するが、
出産した当日、エリザベスを養子縁組に出されてしまう。
そして、そのことからずっと逃れられず、なかなか幸せになることができずにいる。
大人になったエリザベスは、弁護士として成功し自立しているが、
やはり人との関係性をうまくつくれないままでいる。
お互いを探すことなく長い時間が流れるが、双方とも常にお互いを忘れることはなく…
その他にも、さまざまな母と子の関係性が、時の流れとともに描かれていく。

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<カレンからの教え>
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1)女性は幸福になると、優しくなり、綺麗になる

最初の方のカレンは、とても意地悪そうな表情でギスギスしている。誰に対してもトゲトゲしており、人の粗を探し、それを口にしている。

しかし、同僚の男性から好意を示され付き合うようになると、表情が次第に和らぐ。その男性と結婚した後は、メイクと服装に加えて、振る舞いも女性らしくなり、厳しく当たっていたお手伝いさんの子どもに対しても、優しく接するようになる。

女性にとって、人から愛され幸福になるということは、何よりも大切なようだ。

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<エリザベスからの教え>
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1)自分のルールに忠実すぎると、人生は苦しい(かも)

とにかく、他人に頼らずに生きていこうとしている。自分で決めた信条・ルールを徹底し、防御をガチガチに固めているように見える。

あれほど美しく魅力的なのだから、すぐに男性を落とすことはできるが、自分が男性に落ちることはない。手を差し伸べられても、するっと脇を通り抜け、離れていく。
本気で嫌なとき以外は、差し伸べられた手は、素直に握っておいた方がいいと感じた。

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<その他の母からの教え>
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・子どもを育てるということは、すべてを引き受けて母親になるということ。
・言いたいことを言わずに心に抱えたまま老人になると、顔の表情がつらそうに歪む。
・親が子どもに気を使いすぎると、子どもは気が休まらずストレスを感じる。
・血のつながりよりも、時を一緒に重ねることの方が強い。



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ハンナ・アーレント [DVD]/バルバラ・スコヴァ,アクセル・ミルベルク,ジャネット・マクティア

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監督 マルガレーテ・フォン・トロッタ
出演者 バルバラ・スコヴァ(当時62歳/配役:ハンナ)

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<ストーリー>
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ドイツ系ユダヤ人の哲学者であり、人気作家のハンナ。
ナチスによるユダヤ人大量虐殺の幹部だったアイヒマンが捕まり、
イスラエルでの裁判の記事を書くが、それが大争論を巻き起こす。
世間からは糾弾され、大学での職は解かれ、また友人達は彼女の元を去っていくが…

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<ハンナからの教え>
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1)自分らしく在ればよい

ハンナしかり、周りの女性たちしかり。
60歳くらいになっても一線で仕事をしている女性たちは、
堂々として美しく、そして強くかっこいい。
自分の主張を持ち、言うべきときにははっきり言う。
他人の意見もしっかり聞く。
そして、議論が終われば笑顔で会話できるような成熟。
このくらいの年齢になると、
もはや、かわいこぶる必要はまったくなさそうである。
自分らしさが前面に出ている人の方が圧倒的に魅力的。

2)人生は曖昧でグレーである

友人関係や恋愛関係、長く生きていればいろいろあるが、
すべて飲み込んで、仲間うちみんなが曖昧にグレーに、
なんとかうまく関係性を保って生きている感じが深い。
そして、その逆もしかりで、
一瞬で失う関係性というものもあるのだということを
肝に命じておく必要があるようだ。

3)歳をとったら、品と質のよい服を

女性たちが、みんな綺麗である。
膝丈のタイトスカートを、低いパンプスとともに美しく履いている。
服の素材は質を重視し、アクセサリーで華やかさも忘れない。
ある程度歳をとったら、髪もきちんとセットするくらいがよさそうだ。
髪そのものに年齢を感じ始めると、ラフと汚さの境目が怪しくなってくる。

4)年の離れた同性の友人

60歳くらいのハンナが、20代後半くらいの秘書と仲良しである。
年齢を超えて、お互いをリスペクトし、思いやりを忘れない関係。
見ていてとてもすがすがしい。
異なる世代の友人は、ぜひ持つべきだなあと思う。



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女はみんな生きている [DVD]/角川書店

¥1,029
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監督 コリーヌ・セロー
出演者 カトリーヌ・フロ(当時45歳/配役:エレーヌ)
   ラシダ・ブラクニ(当時24歳/配役ノエミ)

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<ストーリー>
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エレーヌと夫の乗った車の前で、娼婦ノエミは男たちから半殺しに会う。
助けずにその場を去ったエレーヌは、ノエミのことが気になり、
彼女が入院している病院に通い、面倒をみることになる。
ノエミの居所を突き止めた男たちは、執拗に彼女を追い、
意識を取り戻したノエミは、ことの次第をエレーヌに語る。
そして2人はこの一連の事件への決着をつけるために、
また、これまでの自らの人生に一区切りをつけるために、大胆な行動に出るが…

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<エレーヌからの教え>
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1)自分に素直に

それまでの人生、夫や息子のわがままに付き合い続け、
違和感を感じながらも、妻と母という役割を全うしてきた彼女が、
ノエミとの出逢いの中で、大きく変わる。
あくまでも自分の感覚を信じて、自分の気持ちに正直に生き始めた彼女は、
とても活き活きとして、行動力があり、魅力的に映る。

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<ノエミからの教え>
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1)諦めない

どんなに人生の底にいても、前に進む力を失わなければチャンスはある。
勉強しようと思えば、どんな風にしても、何かを学ぶことはできる。
短絡的に落ち込んだりせず、叩かれても叩かれても立ち上がって前を向き、
向かっていく力を忘れないようにしたい。
それと、希望を持ち続ける努力は、何にも勝って重要なことのようだ。

2)演じきる

やるのだと決意したら、人は何でもやり遂げられるのかもしれない。
どんな人物も演じきってしまえば、それがその人の本当の姿なのかもしれない。

3)野性的な魅力

動物のような、野性を感じるまなざしや肉体は、とても魅力的だ。
作り上げたものよりも、生まれたままのものがベスト。
自分の特徴を、うまく記号化できるのがベスト。

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<エレーヌの義母(80代?)からの教え>
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1)おばあちゃんはかわいく

老齢になると、とてもかわいい人と、ぎすぎすした感じの人に分かれるが、
とにかくかわいいおばあちゃんになった方がよい。
かわいくなれたら、それだけで勝ちだと思う。

2)にこやかでいること、明るく清潔な服を着ること

かわいさの秘訣は、とにかく表情。明るくやさしいこと。
丁寧に暮らすこと。
受け入れる力を伸ばすこと。
それと、服は清潔で軽やかな色や素材のものを選ぶのがいいようだ。
ヨーロッパの老人には学ぶところが多いから、今後注意してウォッチするべし。



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スイミング・プール [DVD]/ギャガ・コミュニケーションズ

¥1,234
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監督 フランソワ・オゾン
出演者 シャーロット・ランプリング(当時57歳/配役:サラ)
   リュディヴィーヌ・サニエ(当時24歳/配役ジュリー)

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<ストーリー(独自解釈。)>
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ミステリー作家のサラは、ロンドンでの生活に倦怠を感じている。
担当出版社の社長のすすめで、南仏にある彼の別宅を訪れ、素晴らしい環境に筆も進む。
しかし突然、社長の娘、ジュリーが現れる。
ジュリーは若くて美しく、その奔放な性格と肢体に、サラは嫌悪を感じながらも、実は心奪われている。
ジュリーのことを書いてみようかと、サラが彼女に近づくと、
事態は突如、思わぬ悲劇の方向に向かい始めるが…

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<サラからの教え>
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1)ギフトとしての美しさ

とても57歳とは思えない肉体。手足がスラっと伸び、美しい。
ヘアスタイルやメイクは生真面目なイギリス人風で、なんとも垢抜けない感じではあるが、
南仏の家にあった服(おそらくジュリーの死んだ母のもの)を着た途端に、セクシーで瑞々しい女性になる。
やはり、柔らかい素材と女性らしい色、肌が出るデザインは、40代以上には必須である。
それと、まねるなら、やはりイギリス人よりはフランス人を参考にした方がよいだろう。

2)他を受け入れる余裕

最初の頃のサラは、とてもキリキリしている。
自分の中に閉じこもり、自分の中の完璧を求めて生活をしている。
ジュリーの生活、ジュリーの自由については、なにひとつ考えていない。
むしろ奔放なジュリーの方が、サラと仲良くなろうとする努力を積極的にしているように見える。
しかしながら、事件後のサラはとても大人だった。
ジュリーを責めるわけでもなく、状況をただ受け入れ、淡々と事を運んで行った。
ジュリーを守るために、男に自分の体を触らせもした。
大人の割り切りというものが、若さとは異なるセクシーさを醸していた。

3)世代間ギャップにおける余裕

ジュリーのダンスは、セクシーでかっこいい。
サラのダンスは、ぎくしゃくして、なんだかコメディみたいだ。
最初はダンスの求めに応じず、ただソファに腰掛けて、たばこをくゆらせていたサラ。
それもすごくかっこいいのだが、執拗に誘われると、頑なに拒むこと無く踊り始める。
で、踊ってみたら、想像以上にかっこわるい。
が、それもなんだか可愛かった。
若い人にすべてを合わせるのではなく、かと言って完全に拒むのでもなく、
たまには少し羽目を外して一緒に遊ぶくらいが、大人としての可愛さなのかもしれない。



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わたしに会うまでの1600キロ [Blu-ray]/作者不明

¥価格不明
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<公式サイト>
http://www.foxmovies-jp.com/1600kilo/

監督 ジャン=マルク・ヴァレ
原作 シェリル・ストレイド
出演者 リース・ウィザースプーン(当時38歳/配役:シェリル)
   ローラ・ダーン(当時47歳/配役:母)


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<ストーリー(実話)>
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最愛の母を亡くしたシェリルは、絶望の中で自分を見失い、
セックスとヘロインに溺れる日々を送っていた。
そして、夫であるポールとも関係が壊れ、離婚に至る。
誰の子かもわからない妊娠をし、堕胎したシェリルは、
自分を取り戻すためPCT(パシフィック・クレスト・トレイル)の1600キロを歩く旅に出る。

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<シェリルからの教え>
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1)すべてを崩してはいけない

どれほど苦しくても、身の回りすべてことを自ら壊してはいけない。
部分的に壊れても、他で支えてなんとか持ちこたえることはできるが、
すべて崩れてしまうと、そこから立ち上がるためには、ものすごい力が必要だ。
シェリルは、全エネルギーと3ヶ月という時間を注ぎ、
1600キロを完歩したことで、なんとか自分を蘇生することに成功した。

2)他人には、理解と愛情を示す必要がある

母のことも、ポールのことも、弟のことも、
本当は大好きだったのに、相手を蔑んだり、声を荒らげたりして、
彼らとの関係性をうまく築けなかったシェリル。
理解と愛情を表現して、相互に分かり合う努力をすることが大切だと思い知る。

3)なせばなる

トレイルの知識もないのに、いきなり重い荷物を背負って歩き出すシェリル。
見ているだけでもハラハラするが、結局やりとげてしまう。
変な知識がないからこそ、できたのか。
一歩間違えば、死と隣り合わせのトレイルだったと思うが、
なせばなる、ということも一理あると思う。

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<母からの教え>
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1)美しいものの中で生きなさい

すばらしい言葉。
美しい自然の中で生きることで、人は活力を得ることができる。
人は、一日のうちに朝日と夕陽を観ることができる。

2)最良の自分をみつけて、それを手放さないこと

人生の目的のひとつだと思う。

3)がんばっているわ

「そうありたいと、頑張っているわ。」
まっすぐにそう言える人が、幸せに生きている人なんだろう。

4)笑顔の魔法

ものすごくかわいい47歳である。
シェリルよりも、圧倒的にかわいい。
斜に構えて生きるより、素直に欲しい物を追い求め、
毎日の生活や自分の人生に感謝できる人の方が、素敵だ。
子供たちにひたすら愛情を注く母は、見ていて愛おしい。
人として一緒にいたいと感じる。
愛情は、どんどん与えた方がよいようである。



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かもめ食堂 [DVD]/バップ

¥5,184
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監督 荻上直子
出演者 小林聡美(当時41歳/配役:サチエ)
    片桐はいり(当時43歳/配役:ミドリ)
    もたいまさこ(当時53歳/配役:マサコ)

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<ストーリー>
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フィンランドのストックホルムで、サチエは独り「かもめ食堂」を開いている。
客は来ず、グラスを拭いたり店内を掃除したりの日々が続くが、
ひょんなことからミドリに出逢い、彼女もかもめ食堂を手伝うようになる。
そこにマサコも加わり、店に訪れる客も少しずつ現れ、
フィンランド人との間に小さな出来事が起こり始める…

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<サチエからの教え>
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1)他人との距離感の妙

人の人生には容易に立ち入らない、
自分の人生にも容易には立ち入らせない。
でも、閉じているのとは違う。
絶妙な距離感で、近づきすぎず、離れすぎず。


2)いつも笑顔で

どんなときも、偏見でものごとを決めつけない。
まずはニュートラルで、飄々とした態度を取り、
笑顔で相手を迎え入れる。
自分を確立していなければ、できない技。


3)自分だけの習慣

合気道や水泳は、自分だけの習慣であり、規範。
精神と体を整える手段。


4)料理上手は素敵

清潔感が漂うファッションやインテリア。
そして、小気味いい料理の手際。
とんかつはサクッと。おにぎりはキュキュっと。
やっぱり料理上手は素敵。


5)与える勇気

相手には、自分から声をかける。
自分の部屋に泊まらないかと提案する。
焼いたばかりシナモンロールを「食べませんか」と勧める。
自分から与える勇気に満ちた人は、優しい。

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<ミドリからの教え>
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1)感情を素直に出すと若く見える

ミドリが断然若く見える。
そこに精神の幼さが見えるからか。
成熟もいいが、不完全な若さも、それはそれで魅力だ。
素直であることは、魅力だ。


2)意見を言おう

自分から話しかけたり、質問したり、意見したり。
サチエやマサコにはない、他人を気遣った献身的な行為だと感じる。
意見を言うと、ときに対立も生まれるが、別の何かも確実に生まれる。

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<マサコからの教え>
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1)着たいものを着るとかっこいい

マリメッコの服を来た途端に、何倍も垢抜けて見える。
精神の自由を表すような服は、どんどん着るべきだ。
保守的で美しいファッションが万能なわけではない、と知る。
自由を感じる服は、本当に素敵。人を解放する。


2)自分の軸を持つ強さ

揺るぎない何かを持つと、人は美しい。
肉体や顔の造形を超えて、存在自体が美しいと感じる。
尊敬の念さえ生まれる。


3)受け入れる深さ

状況を受け入れる深さと、まったく動揺しない強靭さ。
50代そこそこで、この落ち着きと確かさ。
どういう出来事を乗り越えていったら、こういう感じの50代になるのだろう…



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月の輝く夜に [DVD]/20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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監督 ノーマン・ジュイソン
出演者 シェール(当時41歳/配役:ロレッタ)
    ニコラス・ケイジ(当時23歳/配役:ロニー)

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<ストーリー>
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ロレッタは、前夫を交通事故で亡くした未亡人。
独身の50男ジョニーにプロポーズされ、(別に好きではないが)承諾。
ジョニーには、長い間仲違いをしている弟ロニーがおり、
結婚式に参列してもらうため、説得のためにロレッタが彼に会いにいく。
二人はぶつかり合うが、あっという間に惹かれ合い…
このロマンスに、ロレッタの家族の小さなエピソードが折り重なり、人生の妙が描かれていく。

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<ロレッタからの教え>
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1)出逢いはいつでも、嵐のように訪れる

自分は不運だと決めつけて愛を諦めていたロレッタと、
片手とフィアンセを無くして、人生を投げていたロニーが突如出会う。
声を荒らげて言い争う二人だったが、すぐに互いにこの人だと気づく。
いくつになっても、出会うときは出会う。
歳の差とか、境遇だとかは、出会ってしまったときには関係ない。
いつでもその可能性があることを忘れずにいるべきだ。
そして、出会ってしまったときには、自分を繕わなくともよい。
正直に居ることが大切だ。
自分らしく、堂々としていることも大切だ。


2)女性は本当にきれいになる

ロニーと会うときには、ロレッタは髪を染める。
マニキュアを塗り、ドレスを買って、ハイヒールを履き、最後は赤いルージュでしめる。
みるみるうちに、魅惑的な女性になる。
好きな人に会うときは、最大限、キレイになる努力をするべきだ。
そして、女性がきれいにしていると、男性は嬉しいと思うもののようである。
(白髪は本当にまずい。10歳くらいは老けて見える。)


3)家族が人生を彩る

母、父、祖父、叔父叔母、犬達。
家族が巻き起こす騒動や、不協和音。
こういったものが人生を彩る。
長年一緒にいれば、ほころびもたくさん出てくるが、
そんなときこそ、自分から相手に愛を伝えることが大切なようだ。
愛情を伝えれば相手は微笑み、
関係性は突如としてマイナスからプラスに変わる。


4)知らない人とすれ違う一瞬の大切さ

ロレッタの母が、ひとり淋しくレストランで食事をしていると、
目の前で振られた男が一人。
二人は一緒に食事をして会話を楽しむが、
知らない男女が何気なく交わす会話というのは、なんだか滑稽で粋である。
二人の表情は、話すことでやわらぎ、自分とは違う新しい人生を垣間見て、
自分の人生をまた振り返っている。
どんな人ともコミュニケーションできるオープンさを失ってはいけない。
閉ざしてしまってはもったいない。



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グロリア [DVD]/ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

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監督 ジョン・カサヴェテス
出演者 ジーナ・ローランズ(当時50歳/配役:グロリア)

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<ストーリー>
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ギャングの会計係だった男が、横領した上にFBIに通報し、
男の家族は、見せしめのための一家暗殺にあった。
男の妻の親友だったグロリアは、たまたま現場に居合わせ、
彼らの息子、6歳のフィルを預かることになるが、
ギャング達に追われ、フィルとともにNY中を逃げまわることになる…

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<グロリアからの教え>
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1)とにかくかっこいい
グロリアは、ひたすら大人である。
子どもの前では弱音を吐かないし、ギャング相手でも平気で突っ込んでいく。
クールだが気前がよく、ユーモアもある。
時として、少々張り詰め過ぎており、壊れそうな雰囲気も漂わせるが、
男性に感じるようなハードボイルドを、
美しい熟年の女性が醸すと、とてつもないセクシーさに化けるのだと知る。

2)おしゃれすぎる
逃避行なのに、お洒落。
ふわりと垂れるサーモンピンクのブラウスにグレージャージーのスーツを着て、
ハイヒールを履き、サングラスをかけて、咥えタバコである。
ふくらはぎはしゅっと伸び、足早に逃げる足さばきがかっこいい。
無駄がない。50歳とは思えない。
顔は歳相応の皺や渋さなのだが、薫る女性らしさは、深みそのもの。
子どもや娘ではなく、歳を重ねた女性だからこそ出せるあの感じ、なんなのだろう。
中年ではない、老年でもない。
グロリアという存在としか言えない凄みを感じる。

3)受け入れる大きさ
元ギャングの愛人で、子どもなんか大嫌いだったはずが、
状況を察すると、一瞬でフィルを受け入れると決めた。
受け入れた後は、自分の事情はすべて脇に置いて、フィルを守るために行動している。
潔さと受け入れる器の大きさは、歳を重ねた女の最大の魅力かもしれない。



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