40代以上の女性が主人公/大切な脇役で登場する映画100本。 -2ページ目

40代以上の女性が主人公/大切な脇役で登場する映画100本。

人生後半戦、ロールモデルを探して42歳の女が映画を観る。その記録、もしくは同じく悩める方のためのインデックス。

キャスト・アウェイ [DVD]/トム・ハンクス,ヘレン・ハント,ニック・サーシー

¥1,543
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監督:ロバート・ゼメキス
出演者:トム・ハンクス(当時44歳/配役:チャック・ノーランド )
ラリ・ホワイト(当時35歳/配役:ベッティーナ(流れ着いた小包の差出人))


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<ストーリー>
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Fedexに勤めるチャックは出張のため貨物機に乗っていたが、急な嵐に襲われ孤島に流れ着く。生存者は他におらず、たった一人でサバイバルを開始するが、気がつけば4年が経過し…

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<チャックからの教え>
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このブログは本来、ヒロインを観察して思ったことや気づいたことを記録しているが、この映画の99%くらいはチャックの一人芝居のため、番外編として、まずはチャック考から。

1)創意工夫ができる人は強い

たった一人の島生活なので、生きていくだけで極めて過酷である。天候、飲み物、食べ物、病気、怪我…あらゆることと格闘する必要があるが、チャックの創意工夫はすごい。あらゆるモノを、本来の用途とは別のものに応用し、道具に変えてしまう。洞窟の岩場はキャンバスとなり、古代の壁画のように絵を描いたり記録をとったりする。
同じように、日々の生活の中でもっと創意工夫ができたら、物も減り、シンプルで心豊かな生活を送れる気がする。

2)思いを共有できる友が必要

一緒に流れ着いたものの中に、誰かの孫へのプレゼントであるバレーボールがあった。チャックはそれを擬人化しウィルソンという名前を付けて、大切な友として過ごしている。うまくいかないときや頑張りたいときには、正直な気持ちを吐露している。話しかけることでマイナスの気持ちを吐き出し、ポジティブな姿勢をキープしているようだ。友人は、人間だろうが、動物だろうが、ボールだろうが、なんでもいいみたいだ。大切なことは、孤独の檻に閉じこもらないで、思いを吐き出すことのようだ。

3)あきらめなければ、チャンスは来る

よく言われることだが、何かが終わるときというのは、それをあきらめたときなのだろうなと思う。孤島でひとりぼっちでも、波が何かを運んできてくれる。3年間何もなくても、4年目に何かが起こるかもしれない。
また、チャックが波を超えるチャレンジをしなければ、決して島から出ることは無かった。島で今までと同じように、無事に暮らしていけたかもしれないが、船に遭遇して助けられることは無かった。成し遂げたい目的があったら、そこに向かっていかなくては駄目だ。向かっていっても何も手に入らないかもしれないが、向かっていかなかったら決してわからなかったことが、たくさん分かるはずだ。うまく行けば、目的に到達できるかもしれない。

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<ベッティーナからの教え>
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1)愛情を注いだものは、誰かをどこかで救っている

ベッティーナ自身はラスト数十秒しか登場しないが、彼女が送った小包は、バレーボールのウィルソンとともに、ずっとチャックを励まし続けた。Fedexのパッケージに描かれた天使の羽。ベッティーナが描いたその羽根は、チャックにとってはサインのようになり、そこからもらう安らぎや愛情、希望は絶大である。それが何でも構わないけれど、誰かのために手間をかけた愛情溢れるものは、誰かを救うものなのだなと思った。何をするにしても、機械的ではいけない。意識的に愛情を込めてする必要がある。

2)自由とは、風のような爽快感

たった数十秒の登場だが、ものすごく好感の持てるインパクトである。大型の四駆に乗り、後ろに犬を乗せて走る芸術家。束縛を嫌い、自由奔放に強く生きている様子が小気味いい。スタイルとして、とても憧れるタイプの女性だ。


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ゴーストライター [DVD]/ユアン・マクレガー,ピアース・ブロスナン,キム・キャトラル

¥4,104
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監督 ロマン・ポランスキー
出演者 ユアン・マクレガー (当時39歳/配役:ゴーストライター)
 キム・キャトラル(当時54歳/配役:アメリア(ラングの秘書))
 オリヴィア・ウィリアムズ(当時42歳/配役:ルース(ラングの妻))


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<ストーリー>
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元イギリス首相ラングの自叙伝を書くため、雇われたゴーストライター。急遽、ラングの滞在するアメリカの島に飛んで取材をすることになるが、すぐに前任者マカラが不審な溺死をしたことを知る。マカラが隠した資料を偶然見つけ、事件を探り始めるゴーストだったが、あれよあれよと国際的な陰謀に巻き込まれ、衝撃的なラストを迎える…

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<アメリアからの教え>
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1)骨格で美しさは決まらない

この人は、本当に骨太だ。Sex and the Cityの頃からいつも思っていたが、その辺の男性よりも肩幅などは広いのではないか。背も高いし、脚も首も太い。でも、とても美しい。やわらかそうな肌と、金髪が女性らしさを醸し出しているのか。それとも細い腰?小さい顔?目の動かし方やしぐさ?
いずれにせよ、「華奢でないと女性は美しくない」という理屈は、全くもって成り立たないことを知る。

2)秘書ファッションの魔法

「#13:しあわせの雨傘」にも秘書が出てきたが、職業上の宿命と言うべきか、どうしても担当の上司と肉体関係を結んでいるように描かれがちである。また服装も、シャツにタイトスカート、ハイヒールなど、オフィス然とした女性らしいアイテムを、体の線を強調しながら身に着けていることが多いようだ。逆に言うと、秘書っぽい格好をすれば、女性は誰でも女性っぽく、そして少し色っぽく、ある程度は知的に見えるということだ。今度、仕事に着ていく服に迷ったら、秘書ファッションを試してみようか。

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<ルースからの教え>
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1)女性に一番必要なのは、やっぱり笑顔

ルースはいつも怒っている。キリキリして爪を噛み、声を荒げている。正統派美人なのに、まったくもって美しいと感じない。髪も服装も地味なのに加えニコリともしないと、興味の持ちようがない。逆説的だが、あまり笑わない女性を見ると、笑顔の大切さが本当によく分かるのだなあ。


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ドライビング Miss デイジー [DVD]/ジェシカ・タンディ,モーガン・フリーマン,ダン・エイクロイド

¥3,024
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監督 ブルース・ベレスフォード
出演者 ジェシカ・タンディ(当時80歳/配役:Missデイジー)
モーガン・フリーマン(当時52歳/配役:ホーク)
ダン・エイクロイド(当時37歳/配役:ブーリー)

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<ストーリー>
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ユダヤ系の裕福な未亡人、Missデイジーは、ある日ギアを入れ違えて車を壊してしまう。息子のブーリーは老齢の母親を心配し、運転手のホークを雇うが、気難しく皮肉屋のMissデイジーはなかなかホークを受け入れようとしない。時の流れとともに、二人の距離は縮まっていくが…

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<Missデイジーの教え>
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1)80代は老齢である

先日は「50代は美しい」、そして昨日は「60代も美しい」と書いたが、本日の気付きは「80代は老齢である」ということだ。Missデイジーは、きちんとした身なりをして凛としており、人間としての輝きは強いが、女性性と老人性を比較すると、やはり老人という印象の方が強い。人間の肉体は、70代で一気に老齢の域に入るのだろうか。俄然、70代女性が主人公の映画を観てみたくなった。

2)簡単には死ねない

メイドのアデラが突如亡くなった時、残されたMissデイジーは、アデラのことを幸福だと言った。老齢で独り大きな家に住み、友人もさほど居ない彼女は、特に長く生きたいとは思っていないように見える。しかし、そんなに簡単には死なせてもらえないようだ。結局、ボケが始まっても体は元気であり、そこからまたしばらくは生きていかなければならないのだ。

体が動く自分・動かない自分、意識がしっかりした自分・ボケた自分、お金や親族に恵まれた自分・何もない自分。いろんなことを思い描きながら、老後の暮らしをイメージしておいた方がよさそうだ。少なくとも、独りの自分を楽しめるメンタリティと、他人に迷惑をかけない程度の準備くらいはしておきたいものだ。

3)おばあちゃんは笑顔が一番

他の映画でも書いたような気がするけれど、歳をとったらキリキリしているのが一番よくないように思う。誰からも好かれないし、どんどん孤独に陥っていく。とにかくほがらかで笑顔でいるのが一番よい。心を開いて、どんどん若い人とも話をした方がよさそうだ。

とはいえ、長年生きてきて、まだ頭もしっかりしていれば、知識と経験が豊富なわけだから、言いたいことや守りたい自分のルールもたくさんあるのだろう。しかし、それは自分のもの。他人に押し付けるものではない。自分の領域はきちんと守りながらも、他人に少しシェアする努力をしたり、他人から分けてもらったら、喜んで受け取ったりできるような老人になれたら、きっと老後も楽しいんだろう。



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しあわせの雨傘 スペシャル・プライス [DVD]/カトリーヌ・ドヌーヴ,ジェラール・ドパルデュー,ファブリス・ルキーニ

¥1,296
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監督 フランソワ・オゾン
出演者 カトリーヌ・ドヌーヴ(当時67歳/配役:スザンヌ・ピュジョル)

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<ストーリー>
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スザンヌは、フランスの老舗「ピュジョル雨傘店」創設者の娘であり、現社長の婦人である。自己中心的な夫に耐えながらもきちんと家庭を支えているが、娘にさえ「飾り壷」と言われ、旧時代の何もできない女性扱いをされている。ある日、雨傘店の工場でストライキが起こり、社長である夫は心臓発作で倒れ、代わりにスザンヌが交渉に出向く。そこから彼女の大活躍が始まるが…

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<スザンヌの教え>
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1)60代も美しい

先日、「50代はまだまだ美しい」と書いたばかりであるが、60代(しかも後半)だとしても、女性はまだまだ美しく存在できるということが分かり、将来がぐっと明るくなる。天下のカトリーヌ・ドヌーブだからと言ってしまえば元も子もないが、よく考えてみれば、現在のヒラリー・クリントンや、現役時代のマーガレット・サッチャーなんかも、ほぼ同世代で同じような迫力ある美しさを保っている。多少太って肉がたるむのは仕方ないとしても、品のある服を着て、メイクをきちんとし髪をセットすれば、女性は威厳を保ちながら美しさをキープできる確証を得た。

2)シルクが最高に似合う

70年代が舞台となっているため、ファッションが素晴らしい。特にスザンヌが着るワンピースやブラウスは、どれも発色のよいシルクで、ボウタイスタイルのものが多い。柔らかいシルクは、中年の体のラインをうまく隠し、光る素材が艶感を出してくれている。歳を重ねたら、家ではコットンなどの気軽なものを着ていても、外出時は、少し高級な素材のものをぜひ着てみたいものだ。

3)やるかやらないか、誰のためにやるか

スザンヌは、ずっとお金持ち家庭の主婦業をやってきた女性だが、夫の代わりに自分が事業改革をやると決めてからは、とにかく行動力がすごい。難しいことは言わず、シンプルに親しみを持って、人を認めながら事を進めていくから、信頼を獲得するのも早い。
一方で、彼女の娘は美しくまだ若いが、人を皮肉り、強そうな方に付くだけで、結局何も行動をしていない。
結局のところ、やるかやらないかの問題であり、また誰のためにやるかによって、人からの受け入れられ方に、大きな差が出る。

4)ほがらかで優しいのは美しい

これも何度も言っているが、やはり女性は、ほがらかで優しく、受け入れる力の強い人がもっとも美しく見えるように思う。主婦業をやっている時のスザンヌは、その生活を最大限楽しもうと努力しているように見える。家族や動物、植物に対しても、愛情を注いでいる。夫がどんなに嫌なやつでも、笑顔で生活しようと努めている。そういうことができる女性が、一番成熟しているような気がする。


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RAILWAYS [レイルウェイズ] [DVD]/中井貴一,高島礼子,本仮屋ユイカ

¥3,990
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監督 錦織良成
出演者 中井貴一(当時48歳/配役:筒井)
橋爪功(当時68歳/配役:電鉄会社社長)
宮崎美子(当時51歳/配役:筒井の母の介護士)
高島礼子(当時46歳/配役:妻)


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<ストーリー>
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筒井は大企業本社に勤めるエリート会社員。会社業績のため、同期入社の親友がいる工場を閉鎖するが、直後、親友が事故で亡くなってしまう。時同じくして、母親も病に倒れ、筒井は自分の人生について、初めて立ち止まって考える。そして、出身地の出雲にて、夢だった電車の運転士になることを決意するが…

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<介護士からの教え>
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1)若さの秘訣は、笑顔と肉付き・髪の艶

とても50代とは思えないかわいさ。完全な脇役なのに、一番目に止まった女性。なんだろう、この宮崎美子さんの若さは!
20代でビキニ姿だった頃と変わらない笑顔と肉付き。髪などは20代のように黒々として艶々だ。オレンジ色のポロシャツがとても似合う。歳を重ねたら、必要以上に痩せる必要は全くないと感じる。それよりも、彼女のような肉感を持っている方が、圧倒的に魅力的だ。真似ができそうな美しさに、希望を貰う。外見的なロールモデル候補を得た気分だ。

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<妻からの教え>
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1)引っ掛かりがなければ、存在感はない

あまりに印象が薄い。アロマショップを立ち上げ成功させ、世間的にはとても注目されている美人な女性なのに、映画の中では本当に影が薄い。なぜか。やはり、筒井や家族との接触が少ないことと、自分から発信していないこと、感情の起伏を人に見せないことが原因だろうか。言い合いでもなんでもいいから、とにかく引っ掛かりの多い人ほど存在感を示すのだということを知る。クールビューティーは、自分は満足するかもしれないが、人にはそれほど魅力的に映っていないのかもしれない。


↓おまけ↓
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<筒井からの教え>
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この映画は圧倒的に男性が描かれており、そして彼らがとても魅力的だったので、以下、おまけ。

1)息ができる環境に、身を置くことの重要さ

中井貴一ほどの紳士(!)であっても、大企業の管理職を演じると、どうにも下品になるから面白い。権力の下で自分を守るために生きている人間は、素性がどうであれ、品性が欠落していくということか。

出雲に帰ってからの彼は、活き活きとしている。それは運転士という夢の仕事のせいかもしれないし、家族や同僚との対等で正直なコミュニケーションのせいかもしれない。もしかしたら、田舎の自然からもらうおおらかさなのかもしれない。しかし、その表情を見るだけでも、彼が彼の生き様を取り戻した様子を感じることができる。きちんと息ができる環境にいることの大切さを感じる。会社でのポジションなどは、いかほどのことでもない。

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<電鉄会社社長からの教え>
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1)ユーモアと柔軟性、そして本質を見ようとする姿勢

49歳である筒井を雇おうとする柔軟さには、人格的な余裕と、本質をじっくり見ようとする姿勢を感じる。「これからの老齢社会、50歳が新人なんて、当たり前になるかもしれないよ。そうしたらうちは、時代の最先端を行ってるんだねえ」というセリフは、本当に素敵。こういう風に、ものごとを前向きに捉えられる人間は、いつまでたっても魅力的で若さを感じる。



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スコルピオンの恋まじない [DVD]/ウディ・アレン,ヘレン・ハント,シャーリーズ・セロン

¥1,234
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監督 ウディ・アレン
出演者 ウディ・アレン(当時65歳/配役:CWブリックス)
    ヘレン・ハント(当時38歳/配役:ベティ・アン)
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<ストーリー>
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保険会社に勤める調査員CWと、社内改革のために入社してきたキャリア女性のベティ・アン(=社長の愛人)は犬猿の中。
ある日、彼らの会社に保険をかけている富豪の家から宝石が盗まれ、CWが容疑者として捕まるが、彼は逃走。そして事態は思わぬ方向に展開し…

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<ベティ・アンからの教え>
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1)感情が流れていないと、魅力や特徴が掴みづらい

そもそもこのブログの目的は、ヒロインの女性を観ていて感じた”魅力”や”気づき”を書き留めておくことである。が、しかし、今回の映画は難しい。ウディ・アレンの存在感が強烈すぎるのと、スクリプトそのものがとても面白いために、女性が放つ機微にまで注意が向かない。

そしてまたベティ・アンが、日頃は鉄仮面を被っているキャリア女性の役で、彼女らしさがほとんど出ていない。また、それ以外のときには催眠術にかかっているので、それはそれで恐ろしくデフォルメされた別人格になっており、こちらも彼女らしさとはほど遠い。

彼女のそんな2つの人格を観ていて思うことは、感情が死んだ状態が続くと、いつしかそのように記号化されてしまい、生身の人間が持つ艶っぽさや、魅力などが発揮されなくなるということだ。

日常生活で嫌いな人が近くにいる環境が続くと、どうしても感情を押し殺し受け流そうとしてしまうが、それは美しくあるためには大敵なのだと知る。どんな感情でもいいから、素直に自分の中で循環している方がよいようだ。

2)振り回されるよりも、対等に

どんなによい条件の相手でも、やっぱり不倫は淋しいかもしれない。いつか相手は自分のところに来るのだろうか、相手をなんとか手に入れたいと、必死に考えているうちは、相手に振り回されている。自称チビで抜け毛がひどく、口が達者なCWは独身の冴えない男だが、彼と正直に言い争いをしているときのベティ・アンはどこか楽しそうだ。駆け引きなしで、素直に接することができる男性の方が、精神衛生上、圧倒的に正しい選択なのだろうと思う。


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クロワッサンで朝食を [DVD]/ジャンヌ・モロー,ライネ・マギ,パトリック・ピノー

¥5,076
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監督 イルマル・ラーグ
出演者 ジャンヌ・モロー(当時84歳/配役:フリーダ)
    ライネ・マギ(当時53歳/配役:アンヌ)

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<ストーリー>
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エストニアで母の介護をしていたアンヌだが、母の死をきっかけに、
パリに住むエストニア人フリーダの家政婦として働くことになる。
フリーダは気難しく、家政婦はみなすぐに辞めていくが、さてアンヌは…

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<フリーダからの教え>
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1)人は老いる

例えジャンヌ・モローだとしても、人は確実に老いるということを目の当たりにする。60歳ころに出演した「ニキータ」では、成熟した初老の女性として「本当に美しい人だ」と思ったが、さすがに80歳を超えると、美しいとかかっこいいとか言う前に、顔も体も表情も動作も、すべてが老人である。このことはとても衝撃であり、覚えておくべきことだと痛烈に感じる。

2)人との関係性をつくるのは自分

恐らく内面は、賢く優しい女性であるはずなのに、なぜか他人に悪態をつき、人を遠ざけてしまうフリーダ。それが続いて孤独に陥ると、どんなにお金があっても手を差し伸べてくれる人が居なくなるらしい。人との関係性は、とにかく自分から。自分を開いて人に接し、人の話はこだわりを捨て聞き、穏やかな関係性をつくる努力をしなくてはならない。

3)歳をとったら身なりはきちんと

たとえ80代で家の中にいる生活だとしても、美しい服を着て、アクセサリーにこだわり、メイクもきちんとする。それだけで、生きる気迫を感じる。歳を取れば取るほど、清潔感と勢いは大事になっていくようだ。

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<アンヌからの教え>
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1)受け入れることの美しさ

ダメな元亭主、ボケた母親、わがままなフリーダ。そんな彼らを、言葉少なにまずは受け入れるアンヌが美しく見える。人を責めたりやり込めたりするのは簡単だけれど、いったん受け入れてみて様子を見るという方が、人として存在がきれいな感じがする。

2)丁寧な暮らしから生まれる凛々しさ

相手を思って朝食を作ったり、髪の毛を綺麗に結ったり、散歩をしながらウィンドウショッピングを楽しんだり。日々の暮らしを丁寧に過ごしていくと、なんとなく背筋が伸び凛とした印象を与える。それだけで、生活が整っていくような感じもする。

3)50代は美しい

何本か映画を観ていて思うが、50代というのはとても美しい。体つきも髪質も、まだまだ十分女性としての現役を感じさせる。20代や30代にはない、落ち着いた美しさを放っている。

4)素朴な感じもよい

粋でかっこいいパリジェンヌもいいが、田舎から出てきた感じのエストニア人もまたよい。素朴で控えめな感じが、なんだかとってもかわいらしい感じである。やはり女性がにこっと笑うと、それだけで周囲が和らぎ効果絶大だ。


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西の魔女が死んだ [DVD]/サチ・パーカー,高橋真悠,りょう

¥4,935
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監督 長崎俊一
出演者 サチ・パーカー(当時52歳/配役:おばあちゃん)
    高橋真悠(当時11歳/配役:まい)

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<ストーリー>
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まいは、入学したばかりの中学校に馴染めず、不登校になってしまう。
困った両親は、彼女を母方のおばあちゃん(外国人)の家に預けることにする。
ある日、おばあちゃんから、「私たちの家系は魔女」と聞き、
まいも魔女になるための訓練を、森の中の生活を通して実践していくが…

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<おばあちゃんからの教え>
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1)毎日を丁寧に暮らすことで、幸せを呼び込む

森の中で野菜やハーブを育て、それらを使った料理やお茶を楽しむ。ベリーを摘んでジャムをつくり、クッキーも自分で焼く。踏んで洗った真っ白のシーツは、ラベンダーの上に広げて乾かす。
丁寧な暮らしぶりを観ているだけで、幸福感が漂う。幸せの基本は、生活の細部に宿るのだと再認識する。

2)ゆっくり穏やかに話すことの大切さ

一言一言を、ゆっくり、しっかり話すことで、穏やかさが生まれる。また、言葉をきちんと選んでいる感じが素敵。

3)どんなに歳を重ねても、傷つくことはある。そしてその姿は人には見せない

まいや、まいの母親の発言におばあちゃんは傷ついている。
しかし、その傷は自分で癒やし、わざわざ人に見せるようなことはしない。
そして、傷ついたとしても、それ以上の愛情で彼らを常に見守っている。
歳を取った人のもっとも美しい点は、この受け入れる姿勢とその大きさだと思う。

4)人を差別しない

関わる人は、それがたとえどんな風に見える人であれ、同じように接する。そして、自分で見たこと以外は、憶測で話をしない。
「人を恨んだり軽蔑したりするときには大きな力が必要で、それは自分を疲れさせるでしょう?」「だったら、そんな気持ちは持たない方がいいでしょう?」とは、金言なり。(ただし、セリフは私の記憶ベースなので正確ではない。)

5)強すぎる信念は、ときに人を敵に回すかも

おばあちゃんの中の規範や信念は、正義感があってシンプルで正しい。それ自体はとても素晴らしいことだが、その正しさは、ときに弱い気持ちを持った人を傷つけ、敵に回す可能性があると感じた。人は、正しすぎるものを直視できない動物なのだろう。だからこそ、おばあちゃんの潔さが美しいのだけれども。



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そろそろ42歳も終わろうとしているが、ここのところ「人生後半戦」を強く意識している。
ところが、突如、気づいてしまった。
後半戦のシナリオが、自分の中にないのだ。
自分の描くシナリオが無いくらいだから、
こんな風になりたいというロールモデルさえない。

思い返せば、10代からずっと、たくさんの映画を観てきた。
本もコミックも、たくさん読んだ。
でも、全部自分の好きなテイストばかりだ。
好みはずっと変わっていない。
ジャンルはいろいろだが、好きなタイプのヒロインはいつも同じで、
”意志が強く、自分の力で戦い切り拓いていける女性”だ。

しかしながら、実際に40代を生きていると、
そういった戦いの場面に遭遇することはほぼ無く(笑)、
どちらかというと、もっと細やかで複雑な、
そしてとても日常的な、ささやかな悩みや困難にぶつかることの方が多い。

なので、なんとなくそういう感じの映画を観てみようと思った。
今回の100本の映画を選ぶ基準は、
「自分の好きなもの」ではなく、
「40代以上の女性が出ていそうで、普段の自分ならまず観ないだろうもの」だ。

そういうチョイスなので、はっきり言うと、
「わあ、面白い!」というものばかりではない。
どちらかと言えば退屈で、最初の30分くらいで止めてしまおうと思うようなものもある。
が、今回は、「一度再生したら、絶対に最後まで観る」と決めている。
そして、なんとも面白いもので、
どんな作品でも最後まで観ると、
今まで自分の持っていなかった感情が、最低でも数個は見つかる。
自分のこれまでの人生でクロスしてこなかった場面や思い、セリフ。
私はまさに、そういうものに触れたかったのだ。■



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NINE [DVD]/ダニエル・デイ=ルイス,マリオン・コティヤール,ペネロペ・クルス

¥1,944
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監督 ロブ・マーシャル
出演者 ダニエル・デイ=ルイス(当時52歳/配役:グイド) 国籍:イギリス
マリオン・コティヤール(当時33歳/配役:ルイザ) 国籍:フランス
ペネロペ・クルス(当時36歳/配役:カルラ) 国籍:スペイン
ジュディ・デンチ(当時74歳/配役:リリー)国籍:イギリス
ステイシー・ファーガソン(当時36歳/配役:サラギーナ)国籍:アメリカ
ケイト・ハドソン(当時30歳/配役:ステファニー)国籍:アメリカ
ニコール・キッドマン(当時42歳/配役:クラウディア)国籍:オーストラリア
ソフィア・ローレン(当時74歳/配役:マンマ)国籍:イタリア

※女優7名の平均年令が46歳なので、40代後半タグを付けることにする

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<ストーリー>
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かつて天才と言われた映画監督のグイドは、新作映画「ITALIA」の脚本が書けずに行き詰まっている。
なんとか突破口を見つけようともがきながらも、自分を取り巻く女性たちの元に逃げ込むが、次々と愛想をつかされ、最後は妻のルイザも彼の元を去る…

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<7人の女性たちからの教え>
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1)美しさの要素にはいろいろな種類があり、生まれたままでよい

ルイザ:控えめ、清楚、コケット、ギャップ、冷たさ
カルラ:奔放、明るさ、セクシー、足りなさ、素直、感情表現豊か
ジュディ:信頼、安定
サラギーナ:妖艶、秘密めく
ステファニー:陽気、積極的、自由さ
クラウディア:美貌、存在の儚さ
マンマ:強さ、気位、個性


2)男性と女性との関係性

ルイザ:控えめで自信のない女性が、男性によって魅力を引き出されたときの、途端に花が咲いたようなとんでもない美しさは、なんだか胸を打つ。

カルラ:好きな男性に冷たくされただけで睡眠薬を飲む浅はかさ、そして、それでもそれが可愛いと思えてしまうあどけなさと従順さに、男性はたまらないものを感じるのだろう。

ジュディ:男性は女性にsex(性)を求めるだけはない、友情を求めるときも確実にある。そしてそれが、一番流動的でない、固いつながり。

サラギーナ:魔性の女は、いつの時代もどこにでも存在するらしい。(最近めっきり出会わないが、子どもの頃は、そういう人が身近に数人居たような気がする)

ステファニー:若さゆえの根拠のない強気は、年上から見るとなんだか浅はかで可愛らしい。ビジネスにsex(性)を利用しようとするときは、すぐにそれとわかるもののようだ。

クラウディア:華やかな人が見せる地味な本質は、もっとも美しいもののように見える。

マンマ:母親は、やはり男性にとって絶対的な存在であり、男性が他の女性に求める最大の要素の一つは、母親が持っていた「強さ」だろう。そして、いつまでもそれに守られたいと(潜在的に)感じているのだろう。


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