某日、朝、仕事。
↑何?このカタコト?
私はいつもの様に、駅まで歩いていた。
信号を渡るともう目の前には駅。
その信号待ちをしているときに、事件は起こった。
左側から、何かものすごい‘勢い’を感じる。
(なんだ?なんだこの感じ?)
私は目が悪い。
普段裸眼でぼらぼらと歩いているので、夜なんてほとんど1メートル先も見えない始末。
ただ突っ立ってる電柱でさえ人にみえ、‘誰!?あそこに立ってる怪しい人は誰なの!?’狙われてるわ・・・。私、狙われてるわーーーー!’っていう、一人芝居を毎晩繰り広げてるわけだけど。
今は朝。
この左側からくる‘何か’が、近づいてきてようやく分かった。
ものすっごい勢いで走ってくる犬。
中型犬。
すんげぇ嬉しそうに全力疾走。
そのだいぶん後ろの方で、飼い主らしき人が、何かを叫びながら追いかけてるようだ。
間違いない。
この犬、脱走しとる。
ここで私が捕まえないと、この犬は迷子になって、二度と飼い主の元へ戻れないかもしれない。
よっしゃ。
捕まえたる。
セシルがゲットしたる。
腕まくり。
まず近づいてきた犬の興味をひくべく、私、ガン見。
いちよう両手とか広げてみる。
ワンコのスピードがダウンしたのが分かった。
しめしめ。
「おいで~♪」
「大丈夫だよ。おいでおいで~♪」
ゆっくりとワンコが近づいてきた。
掴もうと思ったけど、この子、リードも首輪もしてない。
という事は、体ごと鷲掴み?
・・・・・・・・・・・ちょっと勇気いるわね。
という私の心の葛藤を見抜いたワンコは、またうろうろ走り出そうと構えだした。
飼い主らしき人は、私の登場でワンコが止った事に、少し安心したらしく、走り続けていたんだろう・・・。
少し歩きだした。
ちらっと後ろをみるワンコ。
こっちをむいた時のそのワンコが、‘ニヤリ’として見えたのは、私だけだろうか?
ちょうどこんな顔して。↓
またツタタタタタ・・・・と歩き出した。
(ヤバイ!どっか行っちゃうよ!なんか気をひかなきゃ・・・。なんか・・・ないの?)
かばんの中を物色するも、食べ物なんてない。
と思わせといて、弁当があった。
(コレ?これ広げんの?ココで?)
迷ってられない。
ガバッと弁当広げて、‘ほ~ら、ほら。食べ物あるよ~?うまそうだろ~?’
犬、すかさずガン見。
でもなかなか捕まえられないのよ、これが。
そうしてるうちに、飼い主がもうあと2mぐらいのとこまで来た。
私も飼い主さんもなんだか安心しちゃった。
でも一向に弁当の中身をあげない私に、ワンコがイラッときたらしく、おまけに飼い主が近づいてることにも気づき、あっさり歩き出した。
ウソッ!!
いっとくけどね、私これから仕事なわけ。
時計とにらめっこ状態でこの任務追行してるわけ。
そういうのを察知した飼い主さんが、‘す・・・すいません・・・。はぁ・・・はぁ・・・。もう大丈夫ですから・・・。’と。
でもどんどんワンコは、大きい道路に向かって小走りしてる。
ものすっごい気になりながらも、どんどんワンコは遠くへ行ってしまい、飼い主さんもまたトボトボと追いかけてた・・・。
その後どうなったんだろう・・・??
ちゃんと捕まえられたのかしら。
朝から脱走した犬に巡りあう確立って、そんなにないと思うの。
で、ちゃっかり遅刻したセシル。
でも理由が‘犬を捕まえてたんです。犬。’とか言えなくて。
‘すいません・・・。体調不良で・・・。’
セシルって優しいわね!フフン♪(ミッションは失敗したけど・・・残念)
★ランキング参加中★
