私がキッチンに立ち、良き母親の見本の様にまな板を‘トントントン・・・’などという音がすると、奴は必ずやってくる。
雨の日も風の日も、さっき食ったばっかりの日でも、必ず奴はやってくる。
コイツ。
↓
こえー・・・。この庭の向こうにキノコが・・・。
キッチンに立つ私の脚の上に、モッサリと座り込む。
動けない。
ナチュラル金縛り。
なぜ彼女がココに居座るのかというと、いろんなものが落ちてくるから。
大根の切れ端、ニンジンの切れ端、たまにご飯粒など、食の宝庫。
先日はパスタが宙を舞い、見事彼女がキャッチ!!
チュルル・・・と食べていました。
何故パスタが宙を舞ったのかは私には分かりません。
ただ私、パスタを食べてただけなんです。
立ったまま。
食パンとかも焼きあがったら立ったまま流しの前で食うこと、多々有。
一人分の皿1枚でも洗いたくない主義。
エコ。
そんな地球に優しい女、セシルは基本大雑把。
なので料理をしていても、色んなものがこぼれ、宙をまい、それはそれは華やかなキッチン周りを演出している訳。
こないだも紅茶作ってた。
またゴンがはさまってた。
「紅茶なのに・・・。おバカなワンコだよ。あんたは。」
などとほくそ笑みながら、やかんの湯を注ぐ。
ここでもダイナミックな私は、やかんの注ぎ口の大きさは関係なく、ダバババーーッと注ぐので、コップに入らず飛び散らかってる。
しばらくしてはさまってるゴンの様子がおかしい。
なんか‘エッ?エッ?’みたいになって、クルクル回ってる。
フッっと見ると、やかんのお湯、漏れてて下にいるゴンの背中に、ジョボボボ~ってかかってた。
「あぁぁぁぁぁぁーーー!!ゴーーーン!!大丈夫かぁーーー!!」
でもさすがうちの子。
「大丈夫やけど、なんか食べ物、背中に乗ってない?それ食べたいねんけど。」
あんたの背中に乗ってるのは、お湯だよ、お湯。
ぬくもるだけだよ・・・。
すばやく拭いて念のため冷やしたけど、やけどの様子はなさそう。ホッ・・・。
そういやチャーハン吹っ飛んで、ゴンの背中に着地した事もあったな・・・。
ゴン、「熱ッ!でも食べたい!熱ッ!でも食べたい!熱ッ!」を繰り返してた。
なんせ乗ってるのが背中なもんで、彼女どうやっても届かない。
かなり中国雑技団顔負けの、アクロバティック開催してたけど、所詮いぬ。
一粒もありつけず。
しかも毛が生えてっから、米粒こびりついちゃって、取るの大変。
また思い出した、
生卵落としたこともあるな、ゴンの背中に。
なんかゴンも‘微妙~にヌルッとするんですけど??’って顔しながら、歩いてた。
弱冠自分から‘食べ物の匂いがする’この事実を、しっかり受け止めてた。
即洗濯。(←ゴンを。)
このコ、物凄い食い意地張ってる。
誰に似たのかしら??
このセレブな家庭で。
立ったままパスタを食べる、この毎日立食パーティの家庭で。
一回試しに丸ごとレタス、ポンッって置いて、「どう?食う?」って置いてみた。
しばらく考え込んでたけど、出した答えは「食う」だった模様。
初めは‘ショリショリ・・・’と可愛くかじっていたが、段々スピードついちゃって、‘バリバリバリバリッ!’ってかぶりつき出した!!
「こらこらこらーーー!ストーーップ!!」
フゥ・・・。
私が差し出したとはいえ、まさか丸ごと食うなんて・・・。
どこまでいやしい女なのよ・・・。
その後もレタス、口からぶら下げて寝てた。
あんた・・・やっぱ私の子だよ・・・。
今日もゴンははさまる。
私の行く手を阻むように、足の上に乗っている。
彼女にしてみれば、台所はまさに夢の国。
ディズニーランドに違いない。
もしくは毎日がクリスマス。
頭上から素敵なサンタが(私やがな)毎日、いろんなものをプレゼントしてくれる。
もう少し慎重に料理しよう・・・。
でないといつか怪我人が出るかもしれない。
いや・・・既に私、怪我続出!!
指の皮だけでも、80枚ぐらい、おろしてる気がする。
‘慎重に・・・慎重に・・・。’
私の一番苦手なワードだわ・・・。
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いつもより多めに上がっております!今日もモスっとな!