『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』 | セセデブログ

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昨日の「朝青先駆者会議2013」で、テーマ曲の普及と交流会の司会を任された。
(会議については『セセデ』8月号に詳しく掲載予定)



まったくの初体験だったので、まずは自信を付けるためにも勉強しようと思い、

手に取ったのがこの本だった。






スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則/日経BP社

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人々を魅了し、熱狂させるスティーブ・ジョブズのプレゼン。

その極意を詳しく解説した一冊である。



「プレゼンと言えばジョブズ」という認識はもはや常識となっている感があるので、

とりあえずはこの人のプレゼンについて学んでみることにしたのだ。



歌の普及と司会とプレゼンとはそれぞれ違いはあるものの、

「壇上に立って何かを伝える」という大きい意味では同じだから、

きっと役に立つだろうと踏んでのことだった。



読み終えた今では、その考えは正しかったと確信を持って言える。

ここに書かれた「18の法則」は、人に何かを伝える際、とても役に立つものばかりだ。



しかも、それは何も「壇上」に限ったことではない。

そのほとんどは紙面上でも画面上でも使えるものであった。



「ツイッターのようなヘッドラインを作ること」などはその代表例だろう。

ジョブズは新製品の概要をはっきり、かつ、

手短に紹介する一文を必ず用意するのだという。



例えばipodなら「1000曲をポケットに」、

iphoneなら「電話を再発明する」。



このような「びっくりするほどキレがいい」一言を作ることで、

本当に伝えたいことを一発で消費者の頭に叩き込ませるのである。

さらには、プレゼン中にその言葉を繰り返し使うことで、

メディアにも同じ言葉を使わせるよう計算されているのだという。



その他にも、「伝える内容は3点に絞ること」「数字は文脈の中でうまく使うこと」などなど、

その法則たちは知っておいて損はないものばかりだ。






ところで、これらのテクニックはジョブズが考案したものだろうが、

それをどのように解釈し、どのように伝授するのか、

というのは筆者の腕に左右されるものである。



しかし、この本はそれもまた良い。



ジョブズのプレゼンを実際に紹介してくれるのはもちろん、

それを図表化したり、悪質なプレゼンと比較してくれたりするからとても理解しやすい。



また、ジョブズだけかと思いきや、結構な分量を他の「プレゼン名人」の

テクニックについて割いていることは主張の説得力をさらに高めてくれている。



そして、「3つ」に分けられた全体の構成に始まり、

「最後にもうひとつ」などの「ジョブズ節」が本書自体にちりばめられていることは、

ジョブズへの筆者の愛を感じさせる。

人は感動すると記憶の定着力が上がると言われているため、

こういったエッセンスは実にありがたい。






さて、そんな素晴らしい本を読んだ上で挑んだ昨日の舞台である。



うまくいったかどうかは聴衆が決めることではあるが、

個人的にはとても後悔が多い舞台だった…。



その原因は結局、知識を得ただけで満足し、

そのテクニックを実践しなかったところにあるのだと思う。



自転車の乗り方を学んだだけでは、自転車に乗れるようにはならないもの。

何事も、実践してこそ意味があると改めて痛感した一日だった。



同じ後悔をしないように、「先駆者」たちには、

会議で共有した全国の経験を各地でたくさん実践していってもらえたらと願う。